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「・・・間に合わない、とは?」
「んー。そういう意味、なんだろうね」
キラは背中に手を回しドレスのボタンを腰まで外す。そしてラクスの手の拘束を取ると、そのままドレスをずらした。
「シンはマユのためにお金を盗んだの?どうして?」
キラは直に胸を揉みながら、その白い肌に赤い跡を残す。
「治らない病気じゃないんだよ、マユは。ただ莫大な治療費がかかる」
「それで」
「うん。彼とマユは孤児院にいるんだ。ケリーさんがそこの院長でね。貧しい孤児院ではその治療費は出ないんだよ」
ベッドの上で夫婦の睦み合いの最中にする話ではない。それでもキラは気にせず、ラクスの胸に吸い付いた。
「……どうしても、助けたいんだね。シン君にとってマユは実の妹だからあんなに必死なんだよ。でも良心の呵責に苛まれた。あそこの子は皆いい子だからね」
キラはラクスの足に乗せている腰を上げ、ドレスの裾を捲り太股を撫でる。
「……知っているの?」
「まあね。父さんが慈善事業にって、孤児院に多少なり寄付してて、ちゃんと使われてるかなってたまに見に行くんだ」
「…本当に、もう間に合わないの?」
「さあ?そこまでは知らない」
キラはラクスの足の付け根に触れた。
――――パシン
「‥‥‥え?」
ラクスは自分の大事な所を摩っていた夫の手を払らった。
驚きに固まる夫を無視し、ラクスは起き上がると乱れた服を整える。
「ちょ!ちょっと待ってよ」
ベッドを降りようとする妻を、キラは慌てて後ろから抱きしめる。
「な、なんで?」
まさかこんなことになるとは思っていなかったキラは、ラクスがどうしたのか心配になった。
「……ごめんなさい。そんな気分じゃありませんの」
「マユのことは気にしても仕方ないよ。君が考えることじゃない。他人の家のことに首を突っ込む必要ないしね」
そう言うとパックリと開いたままのラクスの背中に口を寄せる。
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