月無夜
□月無夜
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「ねぇ、あといくつ?」
淡く輝く赤月晶を手で弄びながらミーアはニコルに問う。
手中には赤月晶が5つ握られていた。
「そうですね、僕には詳しいことはわかりませんが…まだ足りませんね」
「これ結構手に入れるの大変なのよ。月光水晶に人間の生き血を吸わせなきゃ作れないって、面倒くさいったら」
ミーアはジュエリーボックスを手に取り、赤月晶をしまっていく。
「――そういえば、この間妹君にお逢いになったそうで」
赤月晶をしまっていた指が止まった。
ミーアは、ウザったそうにニコルを見遣る。
「なによ。なんか文句ある?」
「いいえ。貴女のことだから、殺すのだとばかり」
ニコルの人畜無害の笑顔は相変わらずで、ミーアはますます表情を険しくさせる。
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