月無夜
□月無夜
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『っきゃ』
カテゴリーBの攻撃を受け止め切れずにミーアは朱雀共々吹っ飛んでしまった。
『いったぁ!!な、何よコイツ』
背中を強く打ち付けたミーアは、木を背もたれにして立ち上がる。
『なんで、地の属性のヤツに!!っ、朱桃!!』
ミーアの呼び声に朱雀は呼応し高い鳴き声を上げた。
『朱桃、炎帝ッ』
ミーアはカテゴリーBを攻撃を避けながら朱雀に命令を飛ばす。
朱雀の焔にカテゴリーBの身体の半分が燃え散らされた。
『さっいてーッ!!モデルの身体に傷つけて』
鈍い痛みを放ち続ける背中に、ミーアは眉を寄せる。
肋が数本折れていた。
『……っ、どうして』
痛みに顔を歪めていたが、妖力が消え去っていないことにミーアは俯いていた顔を上げた。
『さ、再‥生、されて…?!』
半分以上燃え散らしたはずのカテゴリーBの体がもう殆どが再生されていた。
『くっ、身体が動かなッ』
カテゴリーBは大きな叫びと共に攻撃してくる。しかしミーアは動くことができなかった。
『―――ッッ!!』
カテゴリーBの攻撃にミーアは瞼を強く閉じるが、なんの衝撃もなく、あろうことか妖力すら消え去っていた。
『……ミーア?』
『‥き、キラっ?!』
ミーアは恐る恐る瞼を開けた。
そこには鞘に刀をおさめるキラが、不思議そうに自分を見つめている。
『ミーア、どうかしたの?』
座り込んでいるミーアにキラは手を差し延べる。
『……肋骨が折れたの。助けて下さる?』
じとぉと見つめてくるミーアに、キラは溜め息をついた。
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