絶対零ド
□絶対零ド
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第十七話―出逢い―
民が選んだ皇、民が望む皇。
それは僕で、君じゃない。
君が一番嫌うことだよね。
君は母上のような、民にも、貴族にも、総ての人から望まれて、皇になりたいはず。
だが民が選んだのは、君じゃないんだ。それは君にとってすごい屈辱で、赦しがたいはずだよね。
母上のように、母上のように。
立派な皇女だった母上のように、皇になりたいのだから。
「僕だよ、……ラクス」
次代の皇は、僕だから。
君は、皇にはなれやしない。
だって皇は僕で、君は僕のモノなんだから。
君をこんな国なんかにあげないよ。
僕のモノになるって約束したのは、君だったでしょう?
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