§Secret§
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Episode.\<秘密V>
震える指先で、躊躇いながらゆっくりボタンを押していく。
ラクスは何度も何度も携帯を閉じようとするが、何回も手を止めるが、頭を横に振り浮かんだ考えを振り払おうとする。そして遂に、通話ボタンを押した。
直ぐに聞こえてきた相手の声に、ラクスの心は動揺した。声が震えないように努めながら、ラクスは必要最低限のことしか話さないように心掛けた。
「……勝手で、ごめんなさい。赦して、キラ」
消え入りそうな声だった。
キラも必要最低限のことしか話さないように心掛けていた。
直ぐに通話は終わり、ラクスは携帯を明後日の方向に投げ捨てた。
目の前のソファに当たり、壊れることはなかった。ラクスはぼんやりとそれを眺めながら、膝に額を押し付けた。
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