手付かずの愛情

□帰ろう
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事務所の廊下で、見つけた一際目立つ長身。
走りよってすかさず挨拶(これ、大事)。
すると、
「久しぶりだね」
と、綺麗な笑顔が帰ってきた。
「お仕事は終わり?」
「はい!主任と明日の打ち合わせに着ただけですから」
「そう、良かった」
…何がよかったのだろう。
「俺も今日は事務所での打ち合わせで上がりなんだ、夕食まだなら一緒にどうかな?」
「私とですか?」
「俺ひとりだと食べないで帰って寝るだけだよ?」
「ご一緒させていただきます」

車に乗り込んでから何が食べたいかの話を始めた。
「今日は冷えるし、暖かいものがいいかな?」
「それなら、材料を買ってお家でお鍋がいいですね」
「…作りに来てくれるの?」
「土鍋、ありましたよね」
「たぶん、道具は一揃いあったはずだよ」
「魚系と肉系、どちらがいいですか?」
「あっさりしたのがいいな」
「それでしたら白身魚の海鮮鍋にしましょう」
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