三国小説

□惇の宅急便
1ページ/14ページ

「曲者だああああっ!!」
「どこから入った!?」
「返り討ちにしてくれる!」
「囲めー!!」


「……………(T-T)」

某月某日某時間にて、1人の男が敵陣の真っ只中に放り込まれた。
名を夏侯惇という。
敵のビジュアルはモブの武将オンリーだが、きっちりコスト8で組まれたデッキVS1人という、英傑伝にもない構図が今出来上がっていた。
なんでこういう事になったのかというと時は数分前にさかのぼる(短っ)


魏城にて

「惇ー淵ー久しぶりー元気ー?ヾ(´ω`=´ω`)ノ」
「相変わらず軽いよなお前…」
「久しぶり孟徳」

呼び出した夏侯惇と夏侯淵の参上に、玉座に座って曹操がぶらぶらと手をふる。幼なじみだけあって彼らの間に敬語などなく、周りの空気は軽い。

「で、俺らに何頼みたいって?」
「淵はとりあえず置いといて。惇、ちょっと楊州までお使いをしてきてくれぬか?」

夏侯淵を下がらせ、曹操が夏侯惇に向き直る。夏侯淵は特に気にすることなく近くの窓際へ移動。外を眺める姿は、こちらの会話に全く興味がないように見えた。それを確認して、夏侯惇が後を続ける。

「なんで俺がお使いなんだ?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ