三国小説
□おんりーゆー!
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ドドドドドドドドッ
「子義ちゃーん!子義ちゃん子義ちゃん子義ちゃん子義ちゃん子義ちゃーーんvvv」
「うわあああああっ!!」
太史慈は追われていた。
先日弓兵専用の修練場を大破され、修繕の間この槍兵の修練場の一部を弓兵達が借りているわけだが、まあ当然のように大破の原因がいたわけで。
「子義ちゃんっ!今日という今日は観念して俺と…
「言うなああああっ!!」
そんな2人の追いかけっこを慣れた目で見つめる人影があった。
太史慈と同じく修練にきていた徐盛と周泰である。
「毎度毎度飽きないねー。太史慈もいい加減観念すりゃいいのに。」
「いや、手ぇわきわきさせながら追われれば、誰でも逃げると思うが…」
手前の柵によりかかりながら所詮他人事、といった感じの徐盛。それとは別に周泰の方は心配そうに太史慈を見ている。
2人とも修練という気分ではないらしい。周りを見れば人影も少ない。どうやら他の兵士達も同じようなものらしく修練場を後にしている。
「他のヤツらは帰ったし、俺も帰るわ。幼平はどうする?」
徐盛が言うと周泰は少し考える素振りをして口を開いた。