沖田☆★

□俺はときめかない
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「……」


「旦那ァ〜。俺と付き合ってくだせィよォ。」


まただ。
コイツは毎回毎回飽きもせずに同じ言葉を繰り返す。
大分俺は馴れた。
馴れってこぇな。


「あ〜はいはい。
沖田君が女になったら考えてやるよぉ。それじゃ、俺は出掛けてくるから。」


「あ、旦那ァ。また、お遊びですかィ??」


お前には関係ねぇ。
俺に関わるな。
俺は誰にもときめかない。
況してや…男になんてもっての外なのよ。
銀さん、女が好きだしねぇ。


「そうそう、お子様にはまだわからない大人のお遊びですよぉ。
それじゃ、沖田君も早く屯所に戻れよぉ〜」


ハァ…毎回毎回何なんだ。
俺にどうしろって言うんだよ。
沖田君はからかってんのかね??大人をからかうもんじゃねぇってなぁ。
後々痛い目見るのは沖田君だし。可愛い顔して悪魔だな。
は??銀さん…沖田君の事可愛いとか思っちゃってんの??
いやいやいやいや…ないないないない!!


「なに考えてんだ俺??
暑すぎて頭がイカれたかぁ??」

俺は、頭を悶々しながらいつもの場所に向かった。
今日は絶対当ててみせる。














−チン、ジャラジャラ…



「………ついてねぇ。全部呑まれやがった。何なんだよ!!
今日はイケると思ったのによぉ!!ふざけんなぁ。」


「旦那…負けたんでィ??」


ゲッ!?
何で沖田君がココに??
しかもその手に持ってる山は…まさか───。


「沖田君…何してんの??
その山はなにかなぁ??」


「あぁ…旦那がお子様にはまだはぇとか言うんでちょっくらどんなもんかやってみやしたんでィ。
そしたら、わけもわからずあたっちまィやしてねィ。
それで、この様でさァ。」


な、何か…スゲぇ虚しいんだけど。何??この天と地のさ。
何で、俺が簡単に当たらねぇモンを、コイツは当てちゃうかね??大人として悔しいなぁ。


「…旦那。
これ、やりまさァ。
俺は別に遊びでやってみただけですし、こんなもん土方さんに見られでもしたら怒られちまゥんでねィ。」


「…はっ、ちょっ…沖田…君…??ハハ、何だよ。哀れまれちったかなぁ??
こういうの、スゲぇ情けネェじゃん。
ま、これで何とかやっていけるし、感謝しとくか。」










──サンキュウ、沖田君。
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