【セトラパロディネタ:ロドレノ?】

☆『穢れし〜』にて上手く逃げおおせた宝条が、ジェノバではなく今度はセトラのコピーを作ろうと目論み、結果として生み出されたのがロッド。
そんなロッドと対峙し、紆余曲折の末の突拍子もないひとこま。







「アンタが……アンタがいなければ、俺は本物になれたんだ!」

「ロッド、それは違うぞ、と。俺を消してもお前はお前以外の何者にもなれない」

「綺麗事ぬかすんじゃねぇ!アンタに俺の気持ちが解るか……解って堪るかっ!」

ロッドが武器を構え、突進してくる。怒りに囚われ、我を失っている彼の攻撃は容赦がなく、殺気立っている。
けれどセトラであるレノには心の内を隠せない。それはレノが意図的に読んでいるのではない。
伝わってくるのだ。痛い程の哀しみと、淋しさが。

(ロッド……。俺にはお前の気持ちは分からない。けれど、お前が辛いとき傍で分かち合う事は出来る)

だから、お前に殺される訳にはいかない━━━!

レノは向かってくるロッドから目を離さず、意識を集中させる。すると脳裏に、あと数秒先に彼が狙ってくる軌道と動きが浮かび上がる。

「うおおぉぉぉ!!」

そしてその通りに彼が武器を振りかざした瞬間に身を屈め、背後から渾身の回し蹴りを食らわせる。
勢い余ったロッドの躯は宙を舞い、派手に転がりながら倒れた。

「うぅ……畜生、俺には居場所も存在理由すらないのに……なんでアンタだけ……」

勝敗が決し、完全に戦意を喪失したロッドは地面に蹲りながら、小さく拳を震わせていた。

「ロッド」

その脇にしゃがみ込み、レノはそっと彼の拳に触れた。途端にぴくりと肩が跳ね上がる。
レノはそんなロッドにゆっくりと、静かに語り掛けた。

「ロッド。お前は独りじゃない。居場所がないというのなら、俺が居場所になってやるぞ、と」

「え……?」

「お前が生まれた理由がどんな穢れたものだとしても、お前はお前だろ、と」

過去に、自分にそう言って孤独の闇から救ってくれた男がいた。だから今度は自分が誰かを救いたい。

「…レノ……」

「よしよし。俺が主任に頼んで、タークスに入れるよう掛け合ってやる。これでもう、お前は俺の仲間だろ、と」

わしゃわしゃと頭を乱暴に撫でてやると、ロッドは真っ直ぐこちらを見返してきて瞳を滲ませた。
宝条に生み出され、何の罪もなく辛い生を強いられた彼を、レノはどうしても放っておけなかったのだ。

「…ありが、とう……」

「ん。いいってことよ、と」

「じゃ、今日から俺達同棲するんだよな……?もしかしたら俺、夜とかセーブできねぇかも……」

「………は?」

そんな話は一切した覚えはないのだが、当の本人は僅かに頬を赤らめている始末だ。

この後、レノ宅に押し掛けたロッドと恋人であるザックスが鉢合わせし、また一悶着あったそうな。

「出てけ!今すぐ出てけーっ!レノは俺のだ!!」

「ンだとテメェが出てけ!さっと小屋に戻れよこの犬野郎がっ!」

「はぁ、取り敢えず二人とも出てけよ、と……」




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■蓮華■


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