◎serialU◎

□夜半の嵐
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全ては過去
そう、割り切れたのならどんなに楽だろう

何の変哲もない
穏やかで温かいあの日常に戻れたら

そして何より、『アイツ』にもう一度会えたなら
……再び、笑いあえたなら

無駄な事だと解ってはいても
そう、願わずにはいられなかった
諦められる訳がない
だって『アイツ』は俺にとって
唯一無二の片割れだったのだから

だから会って、話して、触れて
確かめたかった

どうして、俺を見棄てたのだと
お前にとっての俺は、その程度の存在だったのかと

だが、焦がれて焦がれて
夢にまでみた邂逅は

嵐の前触れに過ぎなかったのだと

この時の俺は知る由もない



【夜半の嵐】




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