ノート2
□君が僕の前に現われた日から
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「おかえりなさいませ、ご主人様ぁ〜」
ここは某オタクの聖地…電気街にある喫茶店…
その喫茶店は女の子の店員しかいなくて、皆メイドの格好をしていた
「………万斉……テメェこんなとこに来るんだな……」
女物の着物を纏う隻眼の男…高杉晋助は、呆れた口調でグラサンの男…万斉に話し掛けた
「まぁまぁ…たまには息抜きも必要で御座る」
「だったらいつもの屋形船で良いだろォが…」
なんでオタクの気持ち悪い集団に交ざってこんなとこ来なきゃいけねぇんだ…
テロリストの名が聞いて呆れるぜ…
とぶつくさ文句を言いながら席についた
「トシ〜」
……一気に眉間に皺がよる……
聞いた事のある憎たらしい声が、愛しい人の名を呼んだ
ゆっくり視線をそちらに向けると……
銀髪の男が黒髪ショートのメイドに話し掛けていた
「…あ…坂田銀時…」
万斉は銀髪の男の名前を呟いた
頭が一気に重くなる…
こんなとこに居るだけでも屈辱に近い思いなのに、よりによってこの世から消えて無くなって欲しい人物が同じ場所で同じ時を過ごしているのだ……
「……帰る」
そりゃそうだ…何が哀しくてこんな場所に居なくちゃいけないんだ…
高杉は煙管を噛み締めながら席を立とうとすると、万斉によりそれは止められた
「良いから坂田銀時の方を見るで御座るよ」
「あ゛?」
首だけを回して、先より少し長めに見ると…
そこには、愛しい真選組副長の土方十四郎がメイドの服を来て銀時と話していた
「……」
あまりにもあまりな展開…
銀時が居なければその場から連れ帰っていただろう…
「晋助…鼻血…」
はっと気付き慌てて顔に手をやる
「オイ万斉…こりゃどういうこった?」
ボタボタと血が流れ落ちる鼻にティッシュを詰め込んだ
「まぁバイトで御座ろうな…」
「公務員がバイトなんかして良いのか!?」
「なんでも仕事辞めたとか何とか…」
理由は定かでは無いが…と続ける万斉に睨み付ける
「なんでテメェがそんなに詳しいんだ」
「次の新曲のテーマがメイドだったから、ここでアイデアが出るかなと…」
「嫌嫌々!もしそうだとしても…」
「見た事のある顔だな…と話し掛けてみればビンゴだったで御座る」
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