ノート2

□掟は破る為にある
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新しい刀は妖刀だと、鍛冶屋の親父は言った
小話に付き合うつもりはなく無視して頓所へと足を運ばせる


「真選組副長、土方十四郎だな?」

ズザザっと多人数の足音に囲まれる

調度良い機会だ…切れ味を試させて貰おうか
そう思って刀に手をかける

「すみませーん!!」

気付けば、地面に膝と額を擦り付けて謝罪をしていた

なんだ!?一体何が起ったって言うんだ!?

身体が勝手に…

「すいっません!」

口が勝手に…

「命だけは!!命だけは勘弁して下さい!!草履の裏でも何でも舐めますんで〜!!」

攘夷浪士どもは唖然としたかと思うと、直ぐさま大きな笑いの渦を作り出した

「ギャハハハハ!誰だこのヘタレはァァァー!」

「あの土方十四郎が!あの鬼の副長と恐れられてる男がなんたる様だァァァ!」

以前までは男だったけどな…
いや、そんな突っ込みしてる場合じゃない!
どどどどういう事だァァァ!身体が全く言う事をきかねぇ!

そこでふと、鍛冶屋の親父の言葉を思い出す

―逆に刀に魂を喰われる―

いや…まさかそんな…

髪の毛を掴まれて、身体を起こされる
この攘夷浪士どものリーダーの右腕といった男が喉の奥をくくくっと鳴らす

「そういや…妙な噂を聞いたんだが…」

隊服の上からでも解る自分の胸の膨みに気付かれる

こんな時に限って、サラシを巻いて無かったりする…

「…っつ!」

乱暴に掴まれた乳房に痛みを感じる

「あんた…女になっちまったってな!」

嫌な予感は的中…
睨み付けるがどうも手を離す気は無いらしい…そりゃそうか

「草履でも何でも舐めるんだろォォォ!?」

周りの浪士どもに相槌を打ち、10人を超える男どもがワラワラと近付いてくる

「男だったら草履の裏を舐めて貰おうと思ったが…」

そう言われ、浪士共は袴に手を掛けだす
俺の髪の毛を掴んでる奴は、首に巻いてるスカーフに手をかけ一気に引き裂く

「なっ!!」

シャツまで持っていかれ、たわわな二つの実は外気に晒される

「すみません!ごめんなさいィィィィ!それだけは!!」

ここはヘタレ部分と同感…でもいつもならもっと攻撃的な言葉に変えるだろうが…

髪の毛を下に引っ張られ、攘夷浪士共の一物が目の前に来る

むせ返る異臭に目に涙がたまる

ヤバい…このままじゃ…
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