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□青春之壱頁
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ねえねえ赤也くん赤也くん。
最初会った時はまさか赤也くんのことを好きになるなんて思ってなかったよ。
そもそも男の子が苦手な私からすれば、赤也くんなんて究極のそのまた上を行く程の苦手対象だったもん。
なにより、怖かったから。
テニス部なんだよね?
人にボールをぶつけるスタイルなんだよね?
それを聞いた時に「ありえない!」て思ったよ。
でも、先輩とテニスをしている所を見た瞬間、思わず赤也くんに見入ったんだ。
「かっこいい」て無意識に呟いたんだ。
それからずっと赤也くんが好きだったんだ。
思わず「赤也くん」って呼んでしまったとき、私は急いで「切原くん」て訂正したけど、赤也くんは「名前で良い」って言ってくれたよね。
本当に、本当に涙が出るほど嬉しかった。心の中で何回も「すき」って言った。

ねえねえ赤也くん、赤也くん。
私は絶対に君にこんな事言えないよ。



「んじゃー元気でなー、教育実習生サン」



笑顔で私にそう言ってくれた赤也くんに私は心の中で何度も好きと言いながら赤也くんに手を振った。





(0621)

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