BASARA夢
□惑う心中
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『お前は此処を護れ』
『…承知致しました』
織田との戦の為に、政宗が紫苑に残した言葉。あれから数日、忍の者からの連絡も無く、不安だけが積もる一方だった。
「政宗様…確かに民なくしては国は成り立ちません。ですが…」
「貴方を失う訳にもいかないのです…」
足りなくなった薬や新しい調合をしながら夜を過ごしていた紫苑。だが騒がしい音が聞こえた時、部屋に一人の女中が駆け込んで来た。
「紫苑様!」
「どうしましたか?」
「皆様が…政宗様達がお帰りになられました!」
それを聞いた途端紫苑は飛び出し、政宗達の元に向かった。
「政宗様!」
息を切らしながら駆け寄ると、紫苑の目に小十郎に支えられている政宗の姿が入った。
「政宗様!!」
「紫苑、早く手当てを!」
「はい、負傷者を運んで!手の空いている者は床の用意を!」
紫苑は他の兵や女中達に指示を出した後、小十郎と共に政宗を運んだ。
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