BASARA夢
□伊達と北条、大騒動
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紫苑を遠くから見送る政宗に、小十朗が近寄った。
「宜しいのですか?紫苑を一人で行かせて」
「戦に行く訳じゃねぇんだ。心配ねぇだろ」
「しかし、祖父の友人の名もはっきりとしていないと聞きましたが…」
「ああ。俺も[うまさ]なんて野郎は聞いた事がねぇ」
「政宗様、それが名前なのですか?」
「いや、あいつの話だと、所々字が汚れて読めなかったらしいぜ」
「うまさ、う…まさ…」
小十朗は謎の名前を物々と言いながら、何かを思い出そうとしていた。
「どうした?小十朗」
「政宗様、もしや、その者は…北条氏政では…」
氏政 うじまさ う■まさ
うまさ
「馬の準備をしろ!紫苑を追うぞッ!!」
「承知!」
紫苑の祖父の友人。その人物は、北条家当主、北条氏政だった。
そんな事を知らない紫苑は河原で休憩し、握り飯を食していた。
「いい天気ー。風も穏やかだし、のどかだし」
雲一つない空を見上げながらのんびりしていると、川で水を飲んでいた馬が突然顔を上げた。
そんな馬に気付いた紫苑も何かな?と思いながら馬が見ている方を向くと。
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