BASARA夢

□戦の始まり
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「相変わらず派手だね〜、独眼竜の旦那は」



ぶつかり合う伊達軍と今川軍の様子を、木の上から見物している忍がいた。



彼は武田軍の忍隊、猿飛佐助。

〔甲斐の虎〕事、武田信玄に命じられ、戦を仕掛けた伊達軍の偵察に来ていた。



だが、今川は伊達の威圧に押され、敗北も間に見えていた。



「俺様が来る程でもなかったな〜、さっさと戻りますか」



佐助は木を蹴り、その場から立ち去った。







木の枝を伝って軽やかに進みながら甲斐を目指していた。だが途中、何かに気付いて足を止めた。



(この気配…近くに忍がいるな。だが、何故こんな場所に…)



己の気配を消しながら辺りを探るように進んでいると、森と原の境目に人影を見付けた。



「…?」



その人物をじっと見ると、それは原で待機していた紫苑だった。



「おいおい、何でこんな所に女がいるんだ…?」



佐助の心配を余所に、紫苑は集めた薬草と持参した他の薬を合わせて調合していた。



(あの子の他に忍が一人…あの子の護衛か?しっかしこんな時期に来るとは、度胸あるな〜)



しみじみしながら眺めていると、急に紫苑がキョロキョロしだし、佐助が疑問がった瞬間。


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