BASARA夢
□風来坊登場
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「姐さん!助けて下せぇ!」
「今回の敵の大将が腰抜けな野郎で、筆頭思う存分やれなくて苛立ってるんすよ!」
「お願いします姐さん!筆頭を止めて下さい!」
「…おい、テメェ等」
「「「「ひぃッ!!」」」」
必死に助けを求める兵達にどす黒い声が掛かり、兵達は紫苑の後ろに隠れた。
「女に助けを求めるたあ、随分と腰抜けになったもんだな…アア゛!?」
「「「「ひいぃぃッ!!」」」」
政宗の不機嫌な雰囲気と鋭い左目に、兵達は震え上がった。
「まあまあ政宗様、とりあえず落ち着いて下さい」
「Ah?だったらテメェが代わりに相手をするか?紫苑」
以外な一言に、紫苑は思わず目を丸くした。
「構いませんが…」
「な!?姐さん!」
「何言ってるんすか!?」
「姐さんが相手したら一たまりもないっすよ!」
「そうっすよ!姐さんが怪我しますぜ!」
必死に止めに入る兵達の言葉を流し、紫苑は政宗にニッコリと笑って。
「政宗様が私の代わりに薬を調合して頂けますか?」
「…小十郎呼んで来い」
「承知致しました」
短く命じた事に紫苑は一礼して鍛練場を放れ、その無駄のない行動に兵達は口をポカンとしながら見ていた。
紫苑が鍛練場を出て暫くするとまた騒がしい音が聞こえ、紫苑は笑いながら小十郎を探しに向かった。
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