BASARA夢

□赤き若武者と遭遇
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「…そういえば、真田様はこの地には何用で?」

「おお、そうだ、忘れていた。某領地の者に使いを頼まれたのだ」

「使い…ですか?」



幸村はそう言って懐から一枚の紙を出して中を見たが、内容を見ながら冷や汗を掻き出した。



「…真田様?」

「…紫苑殿、重ね重ねすまぬが、この草はこの地にあるのか?」



紫苑は幸村の差し出した紙を見ると、紙には一本の草と簡単な見分け方が書いてあった。



「某には、此処の草全てが同じに見えて…どれを取ればよいのか解らぬ…」



しょんぼりと気落ちする幸村に、紫苑は軽く笑った後、自分の持っていた籠を差し出した。



「こ、これは…」

「これがお使いの草です。よければお持ち下さい」

「し、しかし、これは紫苑殿が集めた物では!」

「大丈夫です。此処の原にはこの草が沢山生えていますから、直ぐに集められますよ」

「では、せめて某もお手伝いを」

「待っている方に早く届けてあげて下さい。でないと良い薬は作れないですよ」



粘る幸村に紫苑は負けじと草を差し出し、止めの言葉を掛けた。


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