BASARA夢

□赤き若武者と遭遇
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「挨拶が遅れ申した。某は真田源二郎幸村と申す」

「真田…貴方が武田の若き虎なんですね」

「なっ!?某を知っているのでござるか!?」

「はい。日の本一の兵とも呼ばれるお方、お会い出来て光栄です」

「そ、そのような事は…」



幸村は自分を褒められて顔を真っ赤にし、その表情に紫苑はずっと笑っていた。



「私は紫苑と申します。しがない侍女が貴方と話すのは恐れ多い事ですが、以後お見知りおきを」

「そのような事は!…ところで、紫苑殿はこのような場所で何を?」

「はい、此処は薬になる良い草が生えているので、取りに参ったのです」

「このような場所に、女子一人で来るのは少し不用心ではござらんか?」

「他の方にお任せするよりも、自分で見て取りたいので…」



アハハ…と苦笑いする紫苑とは対象に、幸村は何故か瞳をキラキラとさせていた。



「…真田様?」

「素晴らしきお考えにございまする!紫苑殿のそのお言葉、某大いに感動致した!!」

「あ、ありがとうございます…」



急に立ち上がって宣言する幸村を見て紫苑は、ある物を浮かべた。



(真田様って…犬みたい…)



赤い大型犬が尻尾を物凄い勢いで振る残像が、何故か紫苑には見えた。


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