BASARA夢
□伊達軍の日常
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カラ。
「……」
自室に入った途端、紫苑は我が目を疑った。
先程まで小十郎が必死に探していた人物が、自分の部屋で寝ていたのだ。
紫苑は深く溜め息を付き、政宗の隣に座って彼を揺すった。
「政宗様、政宗様」
「……Ah〜…?」
「起きて下さい。小十郎様が探していましたよ」
呆然としたまま起き上がった政宗を見て軽く息を吐いた後、部屋の窓を開けた。
「いつから此処で寝ていたんですか?執務を放っておいて」
「Ah〜…息抜きだ息抜き」
「その息抜きも程々にしませんと、小十郎様の説教が待っていますよ?」
「Ha!小十郎の小言に怯えてられっかよ」
「可哀相な小十郎様…」
政宗に背を向けて呟きながら机に書物を出して読み始めた途端、政宗が紫苑を背後から抱き締めた。
「政宗様?」
「俺はまだ眠いんだ、だからお前も大人しくしてろ。You see?」
「…私は抱き枕ではないのですけど」
「黙ってろ」
そう言った途端、政宗からは寝息が聞こえ、紫苑は諦めたかのようにそのまま書物を読み始めた。
「ま、ま、政宗様ーーッ!!」
数分後、部屋を訪れた小十郎によって、政宗はこっぴどく叱られた。
→オマケ+後書き