BASARA夢

□独眼竜対軍神 人取橋の対峙!
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奥州に戻った伊達軍。だが彼等の表情はとても重く、政宗は小さく舌打ちした。

そんな中文七郎と孫が政宗の六爪、刀のない鞘に目を向けた。



「すいやせん、筆頭」

「摺上原で、どうしても六爪の残り一振りを見付けられなくて…」

「No problem。これだけありゃ上等だ」



鞘のみの刀に腕を乗せ、屋敷に入る政宗に誰も声を掛けれず、紫苑は静かに皆を見渡した。



「直ぐに出陣の用意を。政宗様の陣ぶれあるまで各自少しでも休むように」

『はい』



自分の傷や他の者を気遣いながら屋敷に入る兵達を見た後、紫苑も痛む右腕にそっと触れ、準備に取り掛かった。

一方政宗は自室に戻る事なく、真っ直ぐに小十郎の部屋に向かった。



あれは奥州平定の戦、人取橋での戦後。






+++



「政宗様!まだ動かれてはなりません!」

「うるせぇ!」



手当てを受けたばかりで出歩く政宗を止めるが聞かず、目的の部屋に辿り着き戸を開け、中にいる小十郎を睨んだ。

小十郎の前には短刀、それに息を飲んだ。



「小十郎様?」

「片倉様!」

「何のつもりだ、小十郎」



騒ぎを聞き付けた兵達も駆け付け、政宗は少し機嫌の悪そうな声をして小十郎を見下した。


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