BASARA夢

□手負いの竜軍
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「っ!」



目が覚めた政宗の視界に映ったのは暗い天井。状況を把握する為視線を動かすと、うたた寝をする文七郎を見付けた。

すると目が覚めた文七郎の目に政宗が映った。



「ん…筆頭?筆頭!!」



それに気付いた文七郎は嬉しそうに叫び、他の兵達を呼びに立ち上がった。

そして間もないうちに伊達軍全員が集まり政宗の周りを囲む。だが政宗は天井を向いたまま何も言わない。



その脳裏には記憶が途切れる前のことを思い出していた。



「夢でも…見てやがったのか…?」

「いえ…」

「筆頭はとっくにボロボロの状態で豊臣秀吉とやりあって…」

「負けたのか…」



右手を顔の前に上げ、見つめながら続けた。



「何で、生きてる…?」

「それが…」

「かなり、分は悪かったんすけど…」



そこで起こった出来事をすべて話した。



「何故か、攻撃の手を緩んだんです」

「その時、姐さんが駆け付けて来て、豊臣秀吉の注意を反らしてる間に俺達、必死で…」

「死んでも、筆頭を護らなきゃって…」

「でなきゃ、俺ら意味ねェし…片倉様にも顔向け出来やせん!」


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