BASARA夢
□失われた右目、切り裂かれた竜の背中!
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「筆頭!筆頭!!」
「たたた、大変です筆頭!!」
早朝、良直と左馬助が血相を変えて政宗の元へと駆け、それに気付いた政宗も部屋から出て来た。
「どうした?豊臣のスパイ野郎でも見つかったのか?」
「て、敵襲っす!」
「南部、津軽、相馬が三方から一時に!」
「は?」
それを聞き政宗は微かに目を瞠りすぐに表情を険しくした。
「Shit!もう来やがったのか。小十郎にも知らせをやったな?」
「片倉様には、今文七郎が…」
「筆頭ーー!!」
左馬助が言い終わる前に叫び声が聞こえ、三人が目を向ければ孫兵衛と文七郎が駆け寄って来た。
「か、片倉様が!!」
「「!」」
その様子に何かあった事は明白。孫兵衛は勢い余って滑り転げ、文七郎はその隣に膝を付いた。
「裏のお鈴ちゃんとじいさんが俺んちへ駆け込んできて、片倉様がやられたって!」
「「えぇ!?」」
「丘の畑に、これが…」
文七朗は畑で見つけた小十郎の刀を見せた。それに左馬助と良直が声を上げる。
「そりゃあ片倉様の…」
「黒竜じゃねぇか!」
政宗は小十郎の刀を手に取り、その刃には「梵天威天翔独眼竜」と刻まれている。それを見て顔を顰めた。
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