BASARA夢
□幸村再起不能!?伊達軍涙の解散!!
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破壊された竜王の堤。
激しく流れる濁流を挟み、政宗と小十郎は目先に見える明智光秀を睨んでいた。
「政宗様、小十郎様!」
残っていた伊達軍を引き連れて現れた紫苑達に、小十郎は流されている者達に目を走らせた。
「残った奴らと川下へ回れ!ここは俺達で十分だ」
「は、はい!」
急いで指示を出し、岸に上がる者、未だ流されている者の救助に向かった。
流された者達は体力は消耗しているも大事ない者達ばかりでホッとした。
「手当てが出来る者は早急に、容態が悪い者は私に知らせなさい!」
軽い怪我や水を大量に飲んで咳き込む者達に簡単な処置をしていると、慌てた声が聞こえた。
「軍医殿!伊達の軍医殿!」
呼ばれた方に駆け寄った先には、流されていた幸村と信玄が川辺で倒れていた。
「真田様、武田様!」
辺りの騒ぎに幸村は目を覚ましたが、信玄は未だ意識を失っていた。
「親方様…親方様!」
意識のない信玄を揺さぶる幸村に、紫苑は止めに入った。
「真田様、下がって下さい!」
「親方様、目をお開け下され!親方様!!」
「真田様。…誰か手を貸して!真田様を押さえて下さい!」
「は、はい!」
武田の兵が何人か駆け寄って幸村を押さえ、その間に紫苑は信玄の応急措置を開始。
焦り続ける幸村を、政宗は少し放れた所から見下ろしていた。
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