BASARA夢
□甲斐の虎、御勅使川に死す!
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「ふっ!」
ザンッ
傷も癒え、政宗が庭で一人刀を振り下げた所に小十郎が寄っていた。
「長篠での傷も癒えつつあるようで」
「あぁ、いつでも魔王の首を取りに行けるぜ」
「大事に至らず安堵いたしました」
「ふっ、お前が言うか」
鼻で笑い、政宗は振り下ろしたままの剣先を見た。
「もう一度手合わせといくか、小十郎」
「はっ。稽古のお相手ならばいつなりと」
また刀を振りながら小十郎が言う。だがすぐに少し浮かない顔をし呟くように告げた。
「政宗様…」
「何だ」
「魔王を討ち果たし、しかる後天下を取られた暁には、この小十郎…覚悟は出来ております」
ザンッ
「あぁ?」
小十郎の発言に刀を振るのを一度止め、怪訝な表情で政宗は向いた。
「理由はどうあれ、貴方様に刃を向けました事を…いかなる罰をも受ける…」
ジャキンッ!
「!」
申し訳なさそうに俯き言った小十郎の喉下に、政宗は刀の切先を向けた。
「野暮な事を言いやがると、今ここでたたッ斬るぜ」
「政宗様…」
「お話の腰を折るようで悪いのですが…」
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