BASARA夢

□竜の右目と牙の帰還
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捕らわれていた家臣達の無事に、政宗の六爪と楯無鎧を持ち、甲斐に戻る事になった。

その時。



ガシッ!



「紫苑、てめぇ…何故来やがった?」



紫苑の頭を掴み、小十郎は怒り気味になりながら質問した。



「政宗様も危ない、小十郎様も危ない。そうなった時が、私の出番だとお忘れですか?」

「政宗様の許しは取ったのか?」

「……………あら?」



ギリギリギリギリ!



「いだだだだだっ!!」



惚けた返答に、小十郎は握る力を強めた



「か、片倉様!」

「落ち着いて下さい!」

「姐さん痛がってます痛がってます!」



家臣達に止められてやむを得なく小十郎は手を放し、六爪を布に入れて抱えた。



「戻るぞ、もう夜明けだ。……紫苑」

「はい」



背を向けたまま、小十郎は言い放った。



「戻ったら政宗様から処罰がある。心しておけ」



そう言って歩き出す小十郎に、家臣達は心配そうな面持ちで紫苑を見た。



「姐さん、処罰って…」

「じ、冗談っすよね。筆頭が姐さんに処罰なんて」

「きっとあるだろうね」



「「「えええっ!?」」」



小十郎の後を追うように歩き出した紫苑に家臣達は質問責めをし、その光景に幸村は呆然としていた。



「旦那も早く行ったら?俺様は一足先に戻って、無事を報せてくるよ」

「う、うむ。頼むぞ…」



吃りながらも佐助に返事を返し、幸村も楯無鎧を持ち、歩き出した。


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