BASARA夢
□二人の忍、風来坊再び
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政宗達が織田との戦から戻って早三日。伊達軍の間には戦の話はなく、平和な日々を送っていた。
政宗は刀を振るい、時に物思いに老け込む事を繰り返し、小十朗は自慢の畑に性を出し、紫苑は薬になる葉を調達に出掛けていた。
ガサガサ、プチ、プチ
「あれから三日、政宗様は相変わらずだし」
奥州近隣の原で薬草を取りながら、紫苑は主の事を考えながら深い溜め息を付いていた。
「織田信長か…どんな戦だったんだろう」
別の溜め息を付き、空を見上げた時、何かの影が横切った。
「あ…」
その影も紫苑に気付き、そのまま。
ズル、ドシャ!
木から落ちた。
「だ、大丈夫!?」
「あ、ああ…て、…紫苑?」
木から落ちた人物は、以前出会った忍、かすがだった。
「やっぱりかすがだ、久しぶり。…落ちた所大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ…しかしお前、此処で何をしている?」
「薬草を取っていたんだよ、政宗様が近い内に大きな戦があるから、それに備えてね。かすがこそ此処で何してるの?」
「私は越後に戻る途中だ」
立ち上がったかすがに怪我がない事を確認した時、ある事に気付いた。
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