BASARA夢
□伊達と北条、大騒動
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それは突然の一言だった。
「あ、政宗様。私明日から北条に行って参ります」
「Ah?北条?そうか、北条…
北条だとッ!!?」
「はい」
驚く政宗を余所に、紫苑はニッコリと笑って告げた。
馬に乗ってゆっくりと城を出る紫苑を、政宗は上から見下ろしていた。
思い出すのは昨日の事。
「北条に何しに行く気だ?」
「実は、北条に御祖父様の知り合いの方がいらっしゃって、その方にお薬を届けるという文が先日見付かったんです」
「で、その知り合いのNameは何だ?」
「字が所々汚れて読めませんでしたが、確か[うまさ]と言う方でした」
「うまさ?変なNameだな」
「本当の名前ではないですけど…。所で、北条に出向いても宜しいですか?」
「ああ。暫くは目立った戦もねぇからな。休み旅のついでに行ってこい」
ヒラヒラと手を振って払う政宗に、紫苑は笑顔で頭を下げ、礼を言った。
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