BASARA夢
□戦の始まり
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今川の首を取るべく、駿河へと向かった伊達軍。
そして、軍医として同行した紫苑は彼等とは共に。
「小十郎様の言った通り、良い薬草があるわ」
いなく、森近くの原で薬草を摘んでいた。
昨日、夜営した場所で小十郎に呼ばれた紫苑は、戦の間はこの場で待機していろと言われた。
「しかし、それでは私が着いて来た意味がないのでは…」
「お前の仕事は戦が終わってからだろう。それまでは留守番だ」
「…………それもそうですね」
呆気なく賛成した紫苑は、小十郎に言われた通り指定された場所で待機する事になった。
「政宗様…」
草を取る手を止め、ゆっくりと流れる雲を見上げながら、紫苑は政宗の心配をした。
「以前のように鬱憤を残さなければいいな…」
心配は心配でも、紫苑は政宗の機嫌の方の心配をした。
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