BASARA夢
□雨の日のお茶会
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慶次が奥州に滞在して数日、政宗や小十郎は直ぐにでも追い出したかったが、連日激しい雨が降り続き、仕方なく滞在させていた。
「今日も凄い雨だな〜、夢吉」
「キィ」
縁側に座り、慶次と夢吉は降り続く雨をただ呆然と眺めていた。
すると、急に夢吉が何かに気付いたように駆け出した。
「おい、夢吉!…ん?」
夢吉が走った先を見ると、お盆を持った紫苑が立っていた。
「こんにちは、夢吉君」
「キキッ」
挨拶をした紫苑の肩に夢吉は乗り、紫苑は慶次の隣に腰掛けた。
「前田様、宜しかったら私とお茶をご一緒しませんか?」
「おっ、するする!紫苑ちゃんとならいつでも大歓迎だぜ!」
慶次の言葉に紫苑はお盆に乗せていたお茶とお団子を慶次に渡した。
「それにしても、凄い雨ですね」
「まあな。でも、俺は感謝してるぜ、お陰で紫苑ちゃんとお茶出来るし」
「キ!」
団子を頬張りながら笑う慶次に、紫苑は膝に移った夢吉に団子を分け与えた。
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