BASARA夢
□風来坊登場
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奥州へ続く道を、馬に乗った一人の男子が進んでいた。派手な格好に大刀を背負い、小猿を連れた男。
前田慶次事、“前田の風来坊”。
「もうすぐ奥州だぞ、夢吉」
「キキッ」
「最近暑くなってきたからな〜、涼むには丁度いいや」
慶次は肩に乗る小猿の夢吉に話し掛けながら、奥州の領地に入って行った。
その頃、奥州では戦から戻った伊達軍兵達が、剣の手入れをしたり休息をとるなど穏やかな時を過ごしていた。
だが、それとは対象に、大将である政宗は何故か。
暴れていた。
「ギャーッ!筆頭!!」
「何してるんですか!?落ち着いて下せぇ!」
「おめぇ等人集めろ!筆頭をお止めするんだ!」
「ギャーギャーとうるせぇッ!誰でもいいから片っ端から掛かってきやがれッ!!」
刀を持って暴れる政宗を兵達は止めようと体を抑えるが、政宗はそれを払い飛ばして兵達はバタバタと倒れた。
「…何の騒ぎですか?」
「あっ、姐さん!」
騒ぎを聞き付けて現れた紫苑に、兵達はわっ!と集まって来た。
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