BASARA夢
□赤き若武者と遭遇
1ページ/5ページ
天気の良い一日、紫苑は馬に乗って遠出をしていた。
そして着いた先は壮大な原。紫苑は馬を下りて籠を持ち、草を一つ一つ丁寧に籠に入れた。
「やっぱりここの草は育ちが良い。いい薬が作れるわ」
ニコニコと笑いながら草を積んでいると、ふとある物に気付いた。
「???」
何か赤い物が原に横たわっており、紫苑は疑問に思いながらも近付き、赤い物を除いた。
「…あ」
そこには赤い武将着を纏った男性が横たわっており、紫苑は恐る恐る声を掛けた。
「あの…どうかしましたか?」
声を掛けながら手を出すと、男性は紫苑の手をガシッと掴んで見上げ。
「は…」
「は?」
「腹が減ったでござる…」
そう言ってまた倒れた。
「かたじけのうございまする!!」
倒れていた男性に紫苑は持参していた握り飯を渡し、それを食べた後に男性は頭を下げて礼を言った。
「使いを受けたのはよいが、腹が減って動けなくなり、あまつさえ女子に助けられるとは…某、一生不覚でござる!」
「いいえ、元気になってよかったです」
必死に謝る男性に紫苑は内心少し焦りながらも笑って返した。
.