BASARA夢
□爆走!伊達・長曾我部連合軍!
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伊達軍は進軍を進め、途中武田が納める甲斐でも一騒動あったが長居はせず、大阪を目指していた。
だがある晩、野営をしていた伊達軍を山賊集団が取り囲んだ。
「悪いな兄さん達。ちょいとその馬、俺達に貸して貰おうか」
現れた頭らしき人物は、船の錨の様な武器を持つ、政宗と同じ隻眼の男だった。
「山賊風情が笑わせてくれるぜ、俺を誰だと思ってやがる?」
「おっと待ちな。こちとら山賊じゃねぇ、海賊よ。摂津の海を流れ流れて此処まで辿り着いたんでい。悪いが、ちょいと訳ありでね」
「上等だ、どっちにしろ人にモノを頼もうって態度じゃねぇ。思いっきり山の中に現れておきながら海賊を名乗りやがる辺り、jokeのセンスも先ず先ずだ。そのcrazyな獲物共々」
小十郎の刀を抜き、光らせた。
「気に入ったぜ」
両者の大将が睨み合う中、部下達も互いに言い合いをしていた。
そんな罵声を聞きながら紫苑は敵の大将を見ていた。
(海賊…隻眼にあの錨、まさか…)
「中々いいノリした連中を連れてるじゃねぇか」
「へ、そっちも生きのいいのが多いみてぇだな」
「精々楽しませてくれよ、gambleをけしかけやがったからにはな」
「安心しな、こちとらイカサマはやらねぇ主義よ」
双方が構え、派手な鳥が一声鳴いたのを合図に戦いは始まった。
「筆頭そこです!」
「相手は大振りっす」
「刀一本でいけますぜ!」
「ウチの筆頭が、ぽっと出に負けっかよ!」
伊達軍がそれぞれ政宗を応援する中、相手方は。
『ア・二・キ!ア・二・キ!』
声を合わせて応援し、その団結に焦る伊達軍。すると良直が何かに閃き両足を開き息を吸った。
「筆頭!」パパパン!
「筆頭!」パパパン!
それに釣られ他の皆も真似して応援し出した。
『ア・二・キ!』
『筆頭!』パパパン!
双方の応援合戦に、黙って見ていた紫苑は。
「…ハア」
一人、頭を抱えて呆れていた。
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