神様はいじわる

□第4話
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コンコンっ

ガラガラ


「山本さん、食事はどうされますか?食べられます?」


「今はっだいっ、」


あ、ゆうりさんに食べさせないと。
姿が見えないんじゃ売店にも行けないんだよね。


「食べます、おねがいします」


「わかりました、持ってきますね」

ガラガラ


「彩ちゃんお腹すいてないんでしょ?」


「ゆうりさん食べていいよ。ご飯食べないとこの世界じゃやっていけないよ。」


「ほんと!ありがとう彩ちゃん」


なんでそんなに素直なんだろう。
子供みたいで純粋だし。







ゆうりさんには聞きたいことがたくさんある。




「ゆうりさんって何歳なの?」


「んー、人間でいうと17歳くらいじゃないかな!
死神始めた時からこの容姿で、これからも変わらないんだって!」


死神って生まれるの?いきなり現れるの?
本当にいろいろ気になるけど、今はやめておこう。



「ねぇーさやかちゃーん」


「なに?」


「なんでゆうりさんって呼ぶの?」


「えっ?」


なんでって言われても別に深い意味はないし。
初対面だし。


「なんかよく知らないけど、ゆうりさんって呼び方距離がある感じがするんだー。
さっきのおばさんも“山本さん”って言ってたし。」


おばさんって看護師さんのことか。


「なんて呼んで欲しいの?」


「なんでもいいけど、これから長い付き合いになりそうだし、もっと仲良くなれそうな呼び方〜とか?」




かわいい。。。
間違いない、私、山本彩。死神さんのこと可愛いって思ってる。




「ゆうりとか、ゆうちゃん、とか?」


「神様は僕の事ゆうりって呼んでたから〜」


「一緒がいい?違った方がいい?」


「うん!ゆうちゃん!ゆうちゃんがいい!
僕ゆうちゃん気に入った!」




コンコンっ

ガラガラ



「ご飯持ってきましたー」


「ありがとうございます」


ガラガラ



「ゆうちゃんご飯だよ」


案外この呼び方違和感ないな、って、あれ?
よだれ垂らしてる、、


「ゆうちゃん食べていいよ?」


「んー、これは、どうやって食べるの?」


「えっ、あ、箸を持って反対の手で皿を持って。」


「これ難しいよ。。」


「えー、でも日本人はこれが基本だし」


「さやかちゃん食べさせてよ!!」


えっ。子供じゃん。
でもそんなに満面の笑みで言われたら食べさせてあげたくなっちゃうし。


「はい、あーん。」


「んー!これがご飯!」


「ちゃんと噛まないと!」


「これが美味しいって事なんだね!!」



口いっぱいにご飯入れてほんとに子供みたい。

嬉しそう。お母さんってこんな気分なのかな?
でもなんだか違う気がする。




「あー美味しかった。。」


「よかったね」


うとうとしてる。眠たいのかな?


「さやかちゃん、なんかまぶたが重たくなってきた。」


「ご飯食べたから眠たいんだよきっと」


「うーん、、倒れちゃう。」


「ゆうちゃん横になって寝ていいよ?」


「うん、、」


目をこすりながらソファーの方に向かっていったけど。。
ゆうちゃんは身長がまあまああるし狭いよね、、?


「さやかちゃんここ狭いよ〜」


この人を一言で言うと「模範的な子供」だろうか。。眠たくなったら泣き出す赤ちゃんそのままだ。


仕方ない


「ゆうちゃんここおいで」


ベッドの端に少しズレて開けたスペースを指さした


「やったー!」


やったー?嬉しいの?ほんとに可愛い。



シングルベッドに2人。普通に狭い()



ゆうちゃんのお顔ほんとに綺麗だな。
目覚めた時はそこまで見てなかったけど、しっかり見たらすごくイケメン。いや、美人さんか?



ベッドで寝始めて1分も経てばすぐに寝息が聞こえてくる



ゆうちゃん、ずっと見守るのが仕事って言ってたけど、どこまで着いてくるんだろう。
家でも家族にバレないようにご飯食べさせて寝かせないといけないのか、、、


誰にも言っちゃいけないってことは、朱里にも言えないってこと!?


むりむりむりむり!!!!


なんてずーっと考えてた。






コンコンっ

ガラガラ


「山本さん完食したんですか!?ほんとに回復が早いですね、安心です。」


「アハハ、、それはまぁ」


「驚くほど回復が早いから後3日もあれば退院できるそうですよ」


「ほんとですか!ありがとうございます!」



神様とか死神の力って異次元だ、、、


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