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□ニュームーン
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「月が綺麗ですね」

「今日月出てへんで」

「マジレスしないでよ〜」

「え?」

「彩ちゃんのことなのに」

「あ、そういうことか」

「反応うすっ!!」



今日はクリスマス。運良く今年は新月らしい。
しかも快晴だから星がよく見える。
駅前のイルミネーションもいいけど、人が少ないところで自然のイルミネーションを見るのもいい。寒いけど。


思ってたより寒い。彩ちゃんもぶるぶるしてる。可愛いけど、さすがに可哀想になってきた。


「彩ちゃん、温かい飲み物買ってくるね」

「だめ、行かんとって」

「寒いでしょ?」

「うん、ゆうりがくっ付いてくれんから」


可愛すぎない?拗ねてたの?

私は彩ちゃんを足の間に座らせて、着てきたコートで彩ちゃんを包み込んだ。


「ふふ、暖かい。」

「可愛い、、」

「ん?なんて?」

「いやいや!何もないよ!」



もうちょっとかっこよくいたいのに、彩ちゃんの愛しさにはあたふたさせられてばかり。



「あれ、なんて言う星座なん?」

「あれはカシオペア座!」

「ワロタやん!」

「ハハハッ!」


パシャッ



「彩ちゃん、この辺天の川なってるのわかる?」

「うん、見えるけど天の川は夏じゃないん?」

「天の川って冬も見えるんだって」

「へー!何でも知ってるなゆうりは!」

「肉眼じゃ見にくいのがまたいいな〜って」


彩ちゃんに褒められたのが素直に嬉しかった



「そろそろ帰る?」

「あ、ちょっと待って」

「?」

危ない、プレゼントを渡し損ねるところだった。
彩ちゃん喜んでくれるかな〜



「はい!メリークリスマス!」

「えっ!すごい、なんなんこれ!
スノードーム?ちゃうな〜プラネタリウム?」


悩む君も可愛いな〜

「スノードーム型プラネタリウム!!」

「名前ダサ!」


ネーミングセンスがないのは自覚してたけど実際言われるとグサッと刺さる。笑


「寂しい時でも今日の事思い出して元気だしてほしいなって!作った!」

「はい!私から!」


くれたのはデートした時欲しいって思ってた物ばかり。言わなくても彩ちゃんにはお見通しだったらしい。

「ありがとう!!!」

「あ、ちなみに全部私とお揃いやから」


そんなドヤ顔で言わなくてもっていうほどドヤ顔で。

世界一幸せなクリスマス。彩ちゃんといるから。



大好きだよ。彩ちゃん。



「ゆーりたん、眠たくなってきた。」



心臓泊まるかと思った。
でも今夜は寝かせられなさそう。


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