ソニック

□贈り物!
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綺麗な月の日。
とある家の屋根の上に、二人…否、二匹はそれを見上げていた。


「うわあ、今日はお月さまが綺麗だね!」
「そうだな」


「なんか美味しそう…」
「…お前はどこまで食い意地張ってんだ!」


少しロマンチックな雰囲気だったのに、いきなり話題が変わる。雰囲気ぶち壊し、とはこの事。


「チップ…食べ物関係の話は今はするな」
「えーだって美味しそうだよ?ソニックはそう思わない?」


ソニックはわざとらしくため息をついた。

(こいつの食い意地にはまいったまいった…)

「俺は…この姿になっちまうからな、月のせいで」


ソニックは自分の体を見る。これこそまさに獣。


「そう?僕はお昼のソニックも今のソニックも、優しくていいと思うよ?」


初めて今の姿見た時は怖かったけどね、と付け足して笑う。


「Thank You、チップ。でもなぁ、この姿だと、速く走れねえんだよ」


何よりも走り回ることが好きなソニックには、少々不満があるようだ。

「でもさぁ、すんごくパワーがつくし、腕はビーンって伸びるし、カッコいいよ?」
「…確かに、戦闘向きにはなるけどな……お、お出ましだぜ?」

屋根の周りにはエッグマンのメカ。


「ったく、ポンコツのくせにしつこいな」


ソニックの方に向かってきたが、それをあっさりかわす。


「いっけぇソニック!」
「OK!!」


変幻自在、伸び縮みする腕で、エッグマンのメカを次々に薙ぎ倒す。


あっさり勝負はついた。案の定こちらの圧勝。


「楽勝、だな」
「さっすがあ!!」


ニヤリと笑うソニックと、手を叩いて感嘆するチップ。

「こんな雑魚なんぞに負けないさ……それよりチップ、お前、少しは記憶戻ったか?」

「うーん…それが全く…」

そうか、とソニックが呟く。

「もともとソニックのせいで記憶なくしたんだからね!!」
「それを言うなよ………」

困ったようにソニックは頭を掻く。
内心、自分のせいでチップの記憶がふっとんだことは、かなり気にしているのだ。


「…そーんな顔しないでよ!ソニックらしくないな〜」
「だってそれなりに責任はあるだろ?」

「…僕、全然気にしてないし!」

ソニックがチップの方を見ると、満面の笑み。
なぜ、自分の記憶がないのにニコニコしていられるのだろうと疑問に思う。


「だって、ソニックはたーくさん僕に贈り物をくれたもん!」

「…贈り物?なんかやったか、俺……」


贈り物なんて、渡したためしがない。

「うん!たくさんの贈り物!」



(ソニックが僕にくれたモノは、形はないけど)


(僕にチップっていう名前をくれたことも)


(見ず知らずの僕の記憶を探してくれることも)


(何よりも、こんなに、わくわくどきどきいっぱいの冒険が出来ることが)


僕にとっての、君からの、大切な贈り物!


「ふーん…まあとにかく!俺がちゃんとお前の記憶を探してやるからさ!」

「それでこそソニック!」


太陽が、少しずつ顔をだす。温かい光が二人を照らす。


「ん!朝か」
「いつものソニックになるね!」


朝日によって、ソニックはもとの針鼠の姿になる。


「おし!突っ走るぜチップ!」
「僕のこと置いてかない程度にね」



光に向かって、走りだした。




あとがき

かなりマンガに忠実にかいたつもり、です。
あのマンガはかなり萌えてますすみません。

新キャラのチップがかわいいです…気になる方は電撃任天堂(以下略)のマンガをぜひ!←

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