スマブラ!

□とりーとおあとりーと!
1ページ/1ページ

ハロウィン。

スマブラ界の大人はたいして気に留めていないが、子供たちは、というと……

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「誰がお菓子、たくさん持ってるかな?」
「マリオとか?」
「ワリオさんは?」
「ぺぽ(あいつはニンニクしか所持してねーからだめだな)」

カービィの部屋で、子供たちはワイワイガヤガヤ。

それぞれ、狼男やらバンパイアやらの衣装を身に纏い、作戦会議。もちろん、お菓子強奪(?)のために。

「よし、僕決めた!まずフォックスからだ!!」

そういって、ポポがたちあがる。

「じゃあ私、ファルコさんに言ってみるわ」

続いてナナもカービィの部屋から退室。


しかし他のメンバーはなかなかお菓子をねだる相手が決まらない様子。

「よし、こうなったらくじ引きだ!!」

トゥーンがどこからともなくくじを取り出す。

皆、その案に納得し、くじに手を伸ばす。



「ぴかぁ!(僕、ゼルダ姫からだ!)」
「僕はリンク先輩から……ヨッシーは?」
「私はマリオさんからです」
「べぼ!?(はぁ?なんでファルコンにお菓子ねだんなきゃなんねーんだ!)」

自分の引いたくじの結果に意見をいいながら、カービィの部屋から次々に人がいなくなる。


「ぷり…(私はピーチ姫からか……)」


プリンがくじを引いた時には、部屋には彼女を合わせて二人(二匹)だけ。

「ぷり!(ラスト、ソニックよ!くじ、引いて!)」
「ん、OK」

ちなみにソニックは子供たちに無理矢理連れてこられた犠牲者である。十五歳とは微妙な年だ。

はっきりいってこの年でハロウィンで騒ぐのは…と思ったが、子供たちがそれを許さなかった。


引いたくじに書いてあった名前はというと

「……………」
「……(あ〜……最悪のパターンだわ)」


紙には、スネーク、と、多分子供たちが書いたであろうミミズのような文字で、しかしはっきりと書いてあった。


「ぷぅ…」

プリンは黙りこんだ針鼠を気の毒に思いながらも、部屋を出て行った。


針鼠は部屋に一人。くじで引いた紙を睨み付けていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
コンコン。
スネークの部屋の扉がなる。
雑誌に目を通していたスネークは渋々立ち上がり、ドアを開けた。すると


「Trick or Treat!!Helloこんにちはおっさんお菓子くれないと悪戯するぜさっさと用意しやがれ!!」

「は!?」

扉から飛び込んできたのは、狼男…の格好をした針鼠。
入ってくるなり大声で、それこそ音速並の早さで言葉を連ねる。


「さあさあさあさあ!!わかったらお菓子をよこしな!!Please give me!」

かなりやけくそになっている様子の針鼠。菓子を入れるためのカゴをスネークの前に突き出す。

「…菓子が無い、といったら?」
「殴る」
「………」

はぁ、とため息をつくスネーク。

「……それ以前に、何故俺にねだるんだ」
「くじ引きで決まっちまったんだよ!!」
「(ああなるほど…)」

スネークはくるりと向きを変え、自室に入っていく。
ガチャガチャと、武器をどけながら、菓子を探す。
(殴られるのはゴメンだ)
「なんかあるかおっさん」「手榴弾ならいくらでも」「断る」


手榴弾をチラチラと針鼠に見せるスネークだが、即答され、断られた。


まず、この火器や手榴弾だらけの部屋に菓子なんてあるのか、とソニックは疑問を持つ。

いきなりお菓子くれといっても、スネーク相手では無理だ、とはわかっていた。スネークが菓子を探してくれただけでも良い方だと思う。

刹那、自分はなんて無茶なことを要求してるんだ、と罪悪感がこみあげてきた。

「…おっさん、無いならいいぜ。いきなり押し掛けたのも悪いし」

「そうか。すまないな」
「その代わり今回の悪戯の分、乱闘の時に一発タダで殴らせろよな〜」


それじゃーな、といってスネークの部屋をあとにしようとした。


「……おい」
「……ん、なんだよおっさ……!?」

呼び止められ、振り向いて口を開けた直後、口内に何かが放り込まれた。

それは、紛れもなく

「Candy?」

口の中に甘い味が広がる。

「ポケットに一個だけ入っていたから、やる」
「だ、からっていきなり放り込むなよ!手榴弾かと思ったぜ!?」

あぁそっちの方が良かったな、とスネークが返すと、針鼠はふざけんな、と一喝。


「まあこれで乱闘の件は無し、だ」
「……へっ、しょうがねーな。ま、どっちにしたって乱闘では俺が勝つけど」

軽口をいいながらも、針鼠は甘い飴の味を最後まで味わった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「みんな、お菓子集まった?」
「ぴかぁ(ちょっと甘えたら、ゼルダ姫、たくさん飴くれたよ)」

ピカチュウが集めた飴を机の上にばらまく。

このハロウィン作戦は、一人一人が集めたお菓子を寄せ集めて、みんなで食べる、というルールだった。(多分、大半はヨッシーとカービィが平らげてしまうだろう)

「私が、お菓子くれないと、乱闘でファイアフラワーで焼き鳥にしますよっていったら、ファルコさんチョコレートをくれたわ」
「ナナ……」


「フォックスったらさー、今金欠とかいって、飴ちょっとしかくれなかった」
「…ワリオさんから大量のニンニクをもらったよ…」「リュカ、大丈夫?」

それぞれ集めたお菓子をだす。リュカが持ってきたニンニクは、後でワリオに返しにいくことになった。

そうして、かなりの量のお菓子が机に山を作る。なんだかんだで、たいていの大人は、念のため、お菓子を用意していたらしい。


「じゃあ最後、ソニックは?」

皆の視線がソニックに。

針鼠はへへっ、と笑い

「Sorry」
「へ?」
「もう、食っちまった」


……その後、子供たちの苦情が部屋中に響き渡った、



あとがき
ハロウィンネタ。
なんかスネークのキャラが掴めないです…
あとカービィが悪い子にしか見えない\(^O^)/
毎回ワリオとファルコンの扱いがかわいそうなのは見逃してくださいm(__)m

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ