スマブラ!

□初試合
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「今日、ソニックさんの初試合なんだってさ!」
「うん、楽しみだね〜」
「ぴかあ!」

ワクワクしながら観客席に座る、子供組。リュカやネス達がステージに視線を向ける。

一方こちらは大人組。

「初試合か〜」
「マリオ、面識あるみたいだけど、あいつ強いのか?」

フォックスがさりげなく質問する。

「直接殴りあったわけじゃないからな。よくわからない…でももとの世界では英雄らしいし、それなりに強いと思うよ」

ま、弱かったらこの世界では体がもたないけどな、と小さくつぶやく。

「お手並み拝見…だな」
「そうですね」

リンクとゼルダの視線も、ステージ……の上にいる、針鼠。


「ねぇネス君。ソニックさんの初試合の相手は?」
「多分…スネーク、かな」「え!?スネークさん!?いきなり大丈夫なの?かなり強いじゃん」
「ペポ!(しかも顔こわいしね)」

スネークも今日初試合の針鼠と同じ、他社からの参戦者だが、皆が認める実力者だ。
ついでに段ボールおじさんとして子供組からはなかなか人気が…ある。


「それに、あの二人さ。会ったときから仲悪かったしね」

ソニックがスマブラ界に来たとき。…といっても1日2日前の話だが。

ソニックはかなりフレンドリーというかなんというか、直ぐにメンバーに馴染んでいた。…が、スネークとだけは別だった。

きっかけはスネークの「気に入らない」発言から始まり、口喧嘩勃発。

それからあの二人のなかの悪さはメンバー全員が周知済み。


「ソニックさん、すごくいい人…針鼠…だと思うけどな」
「ぴか!」
「まあスネークにもいろいろあるんだよ、きっと……あっ!試合始まるよ!!」

ステージ上。
初試合ということだがソニックはかなりリラックス。いつもの余裕綽々な表情で反対側にいる相手に声をかける。


「Hey,おっさん!お手柔らかに頼むぜ?なんせfirstgameだからな」

「針鼠。俺は手加減などしない。息の根止めてやる」
「Oh,very fearful!!
恐ろしいこというねえ!」
本当に恐ろしいと思っているとは思えない表情。

「But.becaus I'm unyielding spirit,I don't lose!」


「……おいルイージ。ソニックの英語訳せ」
「兄さん。英語辞書買ってこよう」


試合が始まる合図が轟いた。

「…行くぜおっさん」

試合開始直後、ソニックが消えた。

「……!?」

一瞬の出来事に目を見開くスネーク。

「遅すぎるぜ…!」

気が付けば背後から蹴りを一発、もろに食らっていた。


観客…スマブラメンバーがその出来事に唖然としていた。例外もいたが。

「やっぱ速いな〜」
「おいマリオ、あの異常な速さは何事だ!!」

俺もスピードには自信があるのに!とフォックスが慌てている。

「知らないのか?あいつは超音速針鼠とも呼ばれているんだ。スピードでは誰もかなわないさ」

「音速…」

「許せん!断じて許せん!スマブラ界のハヤブサは俺一人で充分だ!!」

ファルコンがむきになって叫ぶ。かなり自意識過剰な発言だ。


「おっさん、俺のスピードについてこられるか?」
「……なめるな糞針鼠」


互いに距離をとり、睨みあう。

一発蹴りを受けても、大して動揺しないのは、さすがスネークといったところか。


「音速で走るやつに勝てる訳ねーだろ!?」

「いや、マスターがそれなりにソニックのスピードに制限をかけてるみたいだからな」

「んぬわにぃ!?あれで制限されているのか?あの速さで!?」

「落ち着けファルコン。確かに速いが、避けきれないこともない。それにスネークはいつでも冷静だから、的確に対処するだろうよ」

かなり焦っているファルコンをマリオが抑える。

マリオも冷静に相手を見る目がある。やはり戦い慣れていることはある。

…ファルコンは鼻息が荒い………。


「俺のスピード、とらえてみろよ!」

ソニックはその持ち前のスピードで、スネークの周りを走り回る。


その時、足下でカチリという音がして。

「………ぃっ!?」

いきなり爆発。身の軽さがあだとなり、勢いよく吹っ飛ぶ。

まだダメージがあまりなかったのが幸いし、場外にでることは防いだ。

「……What?」
「地雷だ」

何が起こったのかイマイチわからないという表情で立ち上がるソニックに、スネークは淡々と言い放つ。


「Bomb…?はっ、おっさんは兵器使いか?」

「そうだ。お前みたいにちょこまか鬱陶しいやつは決まって地雷に引っ掛かる」

ソニックはムッとした顔をする。

「Weaponを使うなんて素晴らしいおっさんだよ全く…こっちはスピード制限されてきっついんだぜ?」

「知るか」

言葉を発すると同時にスネークがリモコンミサイルを発射。

「そんなもん……ってうわ!!」

また地雷を踏んで空を舞う。しかし今度は受け身をとることに成功した。

「……ったく、いつの間に仕掛けてんだ!?」

「しゃべっている暇があるのか」

「……ゲッ!?」

後ろを向くと先ほどのリモコンミサイルが直ぐそこに……


「…なぁんてな!」

ニヤリと笑ってその場から消える。

「Too bad!生憎、もとの世界の誰かさんのおかげでミサイルに追っかけられるのは慣れてるぜ!」


誰かさん…とは、Dr.エッグマンのことだろう。

「ゼルダ姫。どちらが勝つと思いますか?」

「…スピードで相手を翻弄するソニックさんに、冷静な判断力を持ったスネークさん。どちらも引けをとらないですね…これは私でも予想できないです」

それ以上に、またお強いメンバーが加わりましたね、とゼルダは苦笑い。
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