裏夢主くん(忍たま)

□雑渡編
1ページ/5ページ

※モブ×主人公がほんの少しある
※濁点喘ぎあり







「くっ、そ……!!」

「へえ、綺麗な顔してんじゃねぇか」

手にしていた刀は遥か彼方へ吹っ飛ばされた。懐の苦無を取ろうとすれば、男はどこからか取り出した縄で、慣れた手付きで俺の両腕を縛った。

「う…!?な、なに、をっ」

「安心しろ、気持ちよくなる薬さ。飲め、飲まねぇと死ぬぞ」

「ぐっ、ふ、ぉ、ごっ……!」

口元を覆う布を取られ、口の中に甘い何か突っ込まれた。すぐに吐き出そうとしたものの、男は素早い手付きで俺の口と鼻を両の手で塞いだ。しばらくは息を殺して耐えたものの、結局甘い何かを飲み込んでしまった。

「よしよし、良い子だ。大人しくしてろ、すぐによくなる…」

制服の隙間から大きな手のひらが侵入してくる。はあ、と男が吐いた息に、俺はただ震えた……。



今日は五年生全体での実習授業の日。
内容は、とある城に潜入し巻物を盗んでくること。
決して難しい内容ではない。むしろ、これは簡単な部類に入る方だ。うまくやれば、戦闘なしに帰還できるから。

……が、しくじった。

敵の城に、なぜかフリーのプロ忍者がいたのだ。どうやら殿様が戦ばかりしているせいで自身の命を狙われていることを危険に思い、実習の日の朝に雇ったのだという。なんてタイミングの悪い。

そして俺たちはプロに打ちのめされながらも、何とか巻物を手に散り散りになって城から逃げ出したのだ。
そして敵の忍者は、俺に目を付けたらしく追ってきている。巻物は俺が持っているわけじゃないから、そこだけは安心出来る。

…が、所詮たまごとプロ。俺の必死の逃走劇もむなしく、ほどなくして追い付かれ、くみしかれてしまった。

そして、冒頭に至る。



「……ぁ、う"……?」

あの甘い何かを飲んでから、体が熱くなって疼いてきてしまって、抵抗するにも出来なくて。服を脱がされ、体を好きなようにされても反撃すら出来なくて。後ろの穴の方に指を入れられてしばらく掻き回されていたら、急に男が俺の方へ倒れてきた。首の辺りが生暖かくてぬるぬるしている。…よく見えなかったが、おそらく首を切られたのだろう。そして、即死。そのまま俺の方に倒れ込んだ…。ってなら、犯人は誰?

「あーあー、ごめんね。君の方に倒すつもりはなかったんだよ」

その人はひょい、と片手で男の服の襟を掴んで持ち上げた。

「おや、君…忍術学園の子かい?」

「だ、れ……?」

「あー……とりあえず君を安全な場所に連れてくよ。寝てなさい」

優しく頭を撫でられる。その一肌と暖かい手のひらが心地良かった。好きなようにされて疲れ果てた体は、言われるままに瞼を閉じた。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ