雑多

□授業の一環A
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「駄目だ」



「何で…! 五条先生とはヤッてたじゃん!!」



「あれは授業の一環だ。その時にもそう云っただろう」



「ねーお願いだよ未明さんっ!!!」



高専に来て早数ヶ月。
一度地下で生活をしていたため親交を深めることは出遅れたものの、同級生や二年の先輩、それに京都校の生徒や呪術師の大人たちと親睦を深めて皆の人当たりは理解できた。
故に、虎杖悠仁は欲求不満だった。しかもデカチンに頭トぶほど突かれてメスイキしたいというゲイのネコ役で最低最悪な倫理観。
スマホで見るAVで前や後ろを一人で慰めるのももう飽きた。
最近じゃ任務先でもうっかり男の股間を見て大きさをチェックしてしまう始末、虎杖は困っていた。
そんな時、高専専属の特級呪術師である清川未明が何らかの呪霊からの攻撃により一時的に男体化した。
本音を云えば、今まで見たことないくらい男体化した未明は虎杖のタイプだった。夏油とほぼ同等にまで成った長い脚に、厚くはないが丁度良い具合についたしなやかな筋肉。此処までで既に虎杖の好みは総ざらいしている。顔は元が良い為、当然五条にも劣らない中性的な美男子だし、元々口数が少ない性格が功を奏して儚げな雰囲気を醸し出している。
つい先日、時期的に学習すべき事だったのだが一年生三名は性教育の授業を受けた。その際、実技として五条との性交を行った未明の巨根に虎杖は魅せられた。顔良し、体つき良し、巨根持ちの未明ほど好条件な男がこの世界に他に居るのだろうか?
そうなればあとは抱いてもらう以外の選択肢はない。
そうして冒頭へ至るのだが、未成年を抱くのはいけないと未明が頑なに首を縦に振らないのだ。この日本では授業の一環として未成年でも性交をするのだが、其処をきちんと考慮しての判断だった。一時的な性の自分なんぞに抱かれるより生まれついた時から雄に振り分けられている奴らに抱かれた方が良いだろうと。



「私よりもっと良い奴らが居るだろう、ゴジョウやゲトウや、ケントも居る」



「俺は未明さんが良いの!!! 仮に一時的でも俺は未明さんに抱かれたい!!」



がっしりと未明の両手を自身の両手で包み込んで必死に語り掛ける。
これほどの優良物件を逃しては後悔すると自身の本能が告げていた。



「五条先生とはセックス出来るのに俺とは駄目なん?」



「だから云っているだろう、私はお前らに教える立場の人間だ。世間一般に見れば教師と教え子なんだよ」



「未明さん、前に正式な教師じゃないって云ってたじゃん!!」



其処ではた、と虎杖の動きが停止する。
漸く諦めたのかと思った未明が彼の手を解こうとすると、それより一瞬早く両手を頭上に纏められて、正面から体重八十キロ超の筋肉ダルマが突っ込んで来た。



「うわっ」



此処が未明の部屋で、尚且つ彼の後ろがベッドで助かった。
自身の体の上に乗られたまま未明は虎杖を呼び掛けた。



「おい……いい加減にしろ、やっていい冗談と悪い冗談があるだろう」



「やだ……抱いてくれるまで、おれ、離れないから…」



上目遣いで未明を見上げる。
彼の瞳ばかりを見つめていた虎杖が未明の喉仏がこっくりと上下した事に気付くことは無かった。



「……もう知らん」



「え…?」



「ゴジョウとゲトウに怒られる時はお前も一緒に来い。来なかったら引き摺ってでも連れて行くからな」





ーーーーーーーーーーーーーーー





先に風呂に入って来るとだけ残して部屋を出て行った未明の背を見送ると、虎杖は今世最大級のガッツポーズを決め、彼が帰って来るまでにいそいそと枕元にコンビニで買っておいたゴムと水を置く。
烏の行水で帰って来た未明と入れ替わりに浴場へ。



「(イケメンが濡れた姿ってエロいよな…)」



Tシャツを着ていてよく見えなかったが、色っぽい未明を思い出して昂るモノには触れず、入念に後ろを解す。
そしてローションを仕込んで準備を済ませ、未明と同じように軽装で彼の部屋に戻る。
イケメンはベッドの上でテレビを見ながら片膝を立てて麦茶を飲んでいた。
その仕草だけでも色っぽい事を再認識してから、隣に座り水を飲む。
彼からは虎杖と同じ、浴場備え付けシャンプーの香りがした。リモコンでテレビを消した未明の、筋張った腕が頬に伸ばされる。



「イタドリ」



名を呼ばれて、ぞくぞくと背中を駆け抜ける歓喜。
相手からのゆったりとしたキスに呼吸を合わせる。
バードキスからはじめて、ゆっくり舌を絡め取り、下唇を優しく吸い、上唇を悪戯に喰み、舐める。
その巧みなキスに次第に余裕が崩れ始めた虎杖は薄目を開けて、目を細める未明に思わずその胸を叩いた。



「嘘っ!ずっと見てたの!?」



「ん?」



「キス顔見るとか、恥ずかしいからやめてよ…」



「ふはっ……子供のような事を云うんだな」



図星を突かれた虎杖は話を逸らすように、次いで目もそらして、身体をベッドに横たえる。
そして腕を開いて頬を膨らませた。



「…もう、いいから早く続きしよ」



「はいはい」



覆いかぶさってきた未明と再度口を合わせて、一緒に服を脱いでいく。
未明の胸筋に触れ、上質な筋肉は柔らかいと言うのを実感する。覆いかぶさっているため虎杖を押し潰さないよう力を入れている腕は太く硬く、無言で触っていればくすぐったいと怒られた。
そしてその右手を握られ「お前が触るのは此方だ」と股間のモノを握らされる。
そのえげつない大きさに虎杖はビビって手を離した。
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