雑多

□授業の一環@
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カーテンの閉じられた少し薄暗い室内。普段は元気な先生と生徒三人の声がわやわやと賑わせているのに、皆が静かにしているだけでこうも雰囲気が変わってくるのかと虎杖は少し胸中驚きを隠せなかった。
いや、そうじゃないのかもしれない。かもしれない、じゃなくてそうなのは確実なんだ。驚いているのはこんな静かなことではなくて、この状況に関してだとわかっている。
伏黒も、釘崎もこんな状況下だからか静かにことの成り行きを固唾をのんで見守っている。しかしそんな俺らを気にしないように未明さんはパンパンと二回ほど手を叩いた後良く響く低音の声を響かせた。



「全員揃ったな。今日は予め云っていた通り一日中座学だ。お前らはそろそろ”性教育”の授業を始めなければいけない。多分中学校でそれぞれ触りはやっていると思うが、ちゃんとした教育はやっていないだろうから今日からやっていく」



確かに、この日本において性教育というものは中高の間でしっかりと学ばなければならないことは一般常識である。
普通の高校なら正しい性教育を施すための一環で身近な人の性行為を観察し、レポートとして提出して単位をもらうなんていうのは当たり前で、まあそれは呪術高専であっても変わりがなかったというそれだけの話なんだが、生徒達三人が思っているのはそういうことではなかった。


 
「だがまぁ、性教育って云ってもだ。詳しいあれこれはショウコからまた別実に座学がある。丁度良く私は昨日から一時的にだが男の体になった。今日は取り敢えず性交のやり方でも教えようと思う」



ポカンとしたのは虎杖だけでなかった。
伏黒も釘崎も間抜けに口を半開きにして彼女ーーー否、今は彼、を見ている。
まず特級の未明が呪霊から攻撃をまともに浴びる事など今まで前例がなかった、それに驚いている。
第二に、その呪霊のヘンテコな呪術によって未明が男体化? いやいや、未明さんはもしも男になったとしても格好いいことに代わりはないと思ってはいたが。真逆それが現実になるとは。
そして最も混乱しているのは実習の実験台……即ちネコ役に任命されている五条自身だった。



「いやいや、ちょーっと待って? 未明。性教育の授業ならこれは適切ではないと思うよ。今の僕達仮とは云え同性だし」



「今時同性かどうかなんてあまり重きを置かなくなっただろう。……最初の説明だ。まず、男女と同じように受け手、攻め手がいる。要約すれば男役女役って事だ。でも、ここでまず最初に大切な事がある。分かるか?」



「……どっちがどっちになるか決めるってことですか?」



「正解だクギサキ。じゃあ如何やって決める?」



「じゃんけんが一番良いんじゃ?」



「虎杖……絶対話し合いにしたほうが良いと思うぞ」



「そうだな、だが何方も正解だ。じゃんけんの人もいるだろうし、話し合いの人もいる。大切なのはちゃんと二人が納得する事だ」



「……ソウダネ、ボクモハナシアイデキメルッテイウノハトッテモタイセツダトオモウヨ」



未だ背景に宇宙を背負った五条が何とか言葉を喉から絞り出した。
未明は音もなくその細い手を五条の服にかけた。
なんの迷いも無くズボンとパンツをひん剥いていきつつ彼の姿勢を整える。教壇の上にただ座っていたのが、いまやシャツ一枚でM字に開脚して座らされている。



「っは、ま、まって未明」



「大人しくしててくれ。……ん、お前ら、これが男の生殖期だ。特にクギサキ、お前は直ぐに見たくても見られないんだからよーく見ておけ」



よーく見ておけ、その言葉通りに三人が目を見開くように、五条のソコをじっと見つめている。
自身の受け持つ生徒に秘部を見られている。そう考えると、じわじわと下腹部に熱が集まっていく。



「次は男女共通してやらなければいけない事を教える。愛撫と愛情の確認だ。間違っても急に挿入するのはいけない。尻が裂けるぞ」



直接的なグロテスク表現に男子二人はぴゃっと椅子から数センチ跳ね上がった。



「まずは沢山触りあって、ゆっくりと気持ちを高め合うのが良い」



「ッ……僕は未明と、もっと触り合いしたいんだけどね…」



「そうか、ならもっと慣らしてやる」



半分欲求から発した言葉だったが未明は特に気にすることもなさげにべら、と五条のシャツを捲った。
教壇の後ろに回り込むと、彼の胸筋をゆっくりと持ち上げたり、やわやわと触れるかどうかくらいの柔らかさで揉んでくる。



「んっ、…や、」



その感覚にくすぐったくて身をよじるが、教壇の上からは逃れられなくて軽く身をひねるだけになる。そんな軽い逃亡はすぐに未明の手に捕まってしまうが。



「人によって異なるが、ゴジョウはこうやってゆっくりやんわり触れるかどうかくらいで触ってあげるのが一番好きみたいだ。いきなり強く揉むと痛がるが、こうやってじっくり柔らかく甚振ってやってから、触れるかどうかくらいで焦らして、舐って、抓ってやれば」



「んぅう♡ っぁ、ふ」



「ほら。痛みより燻った快楽のほうが優先されるから、こうやって気持ちよくなるんだ。ほら、ゴジョウのモノからもカウパーが出てきてるだろう。あぁ、クギサキは初めて見るのか?」



未明がくぷくぷと溢れてる先走りを一掬いして、生徒達に見せる。そのままもっと出せと強請るように手を動かすのだからたまったものではない。



「やめ、」



「我慢汁とか先走りとか呼ばれたりするらしいが、まぁ男の興奮とともに精子に先走って分泌されるものだ」



「へー、精液とはなんか違うの?」



「成分的には尿とかそっちの方が近い筈だったな……確か精液が酸性で、それを中和洗浄するために出てくるのがカウパーなんだ。カウパー腺というところから出てくるからカウパーって云うらしいぞ」



「まじ?! 俺、そこまでは知らなかったわ」



「んっ、はぁ♡ びめぃ、手ぇ、とめ♡」



ぐちゅぐちゅと先走りを撫で付けるように話している間も未明の手は容赦なく動き続ける。



「体力の話になるが、受け手に体力があるようなら一度イかせた方が良い。余分な力も抜けるからな。でも男は一度イくだけで大分と体力を使うらしいから、そこは要相談だな。ゴジョウなら大丈夫だろう。ほら、一度イけ」



「あ、♡ あっ! んぅうう♡♡♡」
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