旧王子様裏Room

□わったー(俺達)の世界
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帰ってきたさー!
やっぱわったー(俺達)のしまやー
そう叫びながら白い砂浜に飛び込んだ


「何ヶ月振りやっとぅ?」


「分からんなーー!久々やっしー!」


「なぁ裕次郎!どっちが長く潜れるか
すーぼ(勝負)しないかー?」


「良いあんにぃ!凛!負けんどーー!」


「わん(俺)もさー!」


「せーの!!」


お互いに声を掛け合って一緒に海に潜るーー
広くどこまでも青い海にテンションが
上がって先へ先へと進むーー
すると脇側から手首を掴まれるーー


「−−っ!?ぬーが?」


「危ないさーよ?凛ーー
海の青さにテンションが上がるんは
分かりんさー先ーー見ちみぃ?あっこから
深くなっとぅしぃがや…
一緒に…戻るさーーな?」


反対側に居た筈の裕次郎が直ぐ隣に居る事に
驚いてーーその瞬間ーー
わんの姿を追って追いかけて来てくれたと
気付いたーー


「?ごめんさーー裕次郎……」


「ん。大丈夫さーー」


するとわんの手を握り
上まで一緒に泳いでくれた


「ぷはっ!自主トレしぃたしや!
わんさーーそっつの奥から凛の方まで
一気に泳いだんばぁーー
急に凛の姿が消えたの見えっさーに
しかますた(驚いた)−−ふ…凛ばぁ
無事で良かったさー♡」


そう返答して柔らかく微笑んだーー
その仕草に僅かに高鳴る心音
昔から…いつもわん(俺)の傍に
居てくれていつでもどこに居ても
例え他の人が見つけられんぶしょ(場所)でも
必ず見つけてくれる裕次郎の記憶ーー
まるで同調(シンクロ)するように
わんの居場所を探し当ててくれた


「……あい?裕次郎ーー?」


「?ん…ぬーが(何だよ)?凛ーー」


「いつもにふぇーで(ありがとう)…」


そんなわんの一言に視線を反らす裕次郎ーー


「?裕次郎ーー?どうしたんばぁよ?」


そのちら(顔)を覗き込むーー
すると耳先まで紅潮していたーー


「?!ふぇ///えーー?ぬーが?」


「−−っ///なんでもないさーー
だっとぅ(だって)凛ーーやー(お前)が
しんけんかし(真剣に)お礼言うなんて
初めてやし…戸惑うさーー…!
もぅ良いやし…次はぬーがすーよ?」


「ぅん。貝広いはどーよ?
どっちがいっぺー(たくさん)拾えるか
すーぼ(勝負)さー?」


「良いやっし!さっきはすーぼ(勝負)には
ならんどーさ今度はちゃんと
すーぼ(勝負)しようさー?」


そう答えた裕次郎と視線がぶつかった
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