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□過去だって全部
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夢莉side

今日から私と愛羅は福岡に飛ぶ。
今はその飛行機。隣には可愛い寝顔。
移動さえ終われば今日はオフだからと
朝イチの便に乗ったから朝も早かったし
眠かったのだろう。

すぅすぅと寝息を立てて眠る姿が愛おしく
ほっぺたをふにふにと触ってみたけど
全く起きる様子がない。

私はこの日が楽しみだった。
私達は7年間、NMB48のメンバーとして
一緒に過ごしてきた。
そのうち、私と愛羅は6年間は
恋人として過ごしてきた。
なんでも知っているような顔をしていたが
私は愛羅について知らないことは
沢山ある。
愛羅のことを知りたくて聞いても
いつの間にか私の話に変わっていて、
愛羅のことを聞けないのだ。

家族だってそのひとつだ。
どんな兄弟姉妹がいるのかも知らない。
どんな家に住んで、どんな習い事をして
どんな学生時代を送ってきたか…。
まぁ、学生時代の後半ほとんどはNMB
やし分かるけど。
だから今回は絶対に色々なことを聞いて
帰るんだ!と心に決めていた。

それに、愛羅は福岡出身で、
方言が可愛い。
最近はお家でも方言が入るようになったけど
もしかしたら家に帰ると方言がより
出るのではないかと期待していた。

あー、やっぱ眠いかな。
せっかくの福岡で寝るのも勿体ないし
飛行機の中で少しでも寝ておこう。

そう思い、ゆっくりと目を瞑った。
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