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□気がついたら
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彩side

私と愛羅が一緒に住んでいた頃
突然愛羅が言い出した。

『私、ここを出ようと思うんです。』

クリスマスの日だった。

山本「気、使わんでいいんやで?」

そう言ったけど愛羅は首を横に
振った。

『違うんです。後数ヶ月で中学生やし、夢莉と話して一緒に暮らそうって。』

夢莉か。と思った。
やっぱりなって気持ちやった。

『あ、でも、すぐにではないです!』
『後、少しの間、よろしくお願いします。』

愛羅は真面目だ。
律儀だし、家事も全般できるらしい。
きっと夢莉と二人でも暮らしていける
だろう。
でも、少し意地悪を言いたくなったのは
私が見て見ぬふりをした恋愛感情の所為
だろう。

愛羅がうちを出ていく日に
私が強がって言った意地悪。

山本「一応、NMBは恋愛禁止やで。」

『はい。ありがとうございました。』
愛羅が振り返って遠ざかる背中を見て
気がついたらもう一度呟いていた。
「NMBは恋愛禁止やで。」

まるで自分に言い聞かせるかのように
小さな声で。
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