紫光のプレリュード

□第1幕
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ー 面接室 ー





今野「では、面接を始めて行きます。
まず、番号と氏名をお願いします。」


『◯◯◯◯番、紅峰薙です。』


今野「ありがとうございます。
では、これから質問をしていきます。
アイドルになりたい、なろうと思った
きっかけを聞かせて下さい。」


『はい。
ですが、私は別にアイドルになりたい。
とは思っていません。』


今野「(・・・どういう魂胆だ?)
それは何故ですか?」


『アイドルになることが
私の夢を叶える1番の近道だからです。』


今野「貴女の持つ夢というのは?」


『私の演奏する音楽の力で
イジメなどで苦しんでいる人達を
救うことです。

私も小・中の頃、イジメを受けて
身体全体に傷があります。
その傷を隠すために長袖ロングパンツの
服装になってしまいます。

そんな私に勇気と希望を与えてくれたのが
音楽でした。

勇気や希望を与えられる事がしたい。

だから今回、応募しました。』


今野「なるほど。。」


秋元「君はどの楽器が演奏できるのかな?」


『一通りは演奏できます。』


秋元「(嘘を言っている眼ではない。)
そうか、ありがとう。」


今野「愛知出身で高校生とあるけど
もし合格したらどうしますか?」


『即刻、中退して上京します。』


今野「分かりました。
それと、メガネではなく
コンタクトに変更できますか?」


『それは何故ですか?
別にメガネを掛けているアイドルが居ても
何らおかしくはないでしょう?』


今野「それは、、」


秋元「君の言うとおりだ。
しかし合格した場合、衣装は君だけ
上着を羽織ることになって
叩かれる可能性は充分にある。」


『言わせておけば良いじゃないですか。
握手会とかで暴言を吐かれた場合は
ブラックリスト行きですけど。』


秋元「まぁ、そうだな。」


今野「最後に、
ライバルがAKB48という事に関しては
どう思いますか?」


『別になんとも思っていませんが?
国民的アイドルだろうがなんだろうが
どうでもいいです。
私は私のやりたいことをする。
そして夢を叶える。
たとえ貴男方になんと言われようとも
我を通しますが?』


秋元「それは別に構わないよ?」


『それはこの上なくありがたいですね。
まぁ、首を切られたとしても
父や母を頼らずとも生活できるアテが
ありますのでご心配なく。』


秋元「、、、、ほぅ。」


今野「では、これで面接を終わります。」


『失礼します。』












言いたいことは言えたので満足しながら
待機列に戻った薙。


一方の秋元はこの面接のやりとりで
薙のことを気に入り
今野は少し頭を抱えたのであった。





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