短編

□Valentine
2ページ/2ページ









そんなバレンタインに浮かれている
世間のカップル他、
リア充の人達とは無縁の出来事



残業



これに勤しんでした。







後輩たちも育ってきたとはいえ
まだまだミスが多く、
その改訂や発表原稿作成
パワーポイントの要約づくりなど
確実に徹夜決定を知らせる量。



デスクのキーボードを叩く音と
冷めてしまったコーヒーを啜る音、
資料を捲る音だけが響いていた。







『・・・・・果てしなく、、なげぇ。』







背中を伸ばし、首と指を鳴らしながら
思わず漏れた本音。



時間を確認すると余計に疲労感が募り、
はぁ〜…と一つ、溜息を吐いてから
集中力を高めて残りに取り掛かった。










『相変わらず与田はミスが多い…』

『田村はよく書けてるけど
 何が言いたいか漠然としてんなぁ…』

『おぉ、、賀喜のは優秀だ。
 皆、これくらいまでやってくれ…』

『あ〜、与田の分、終わった。。』

『田村のはすぐ終わる〜。』

『今度のディスカッション
 賀喜をリーダーにした方がまとまるな。』










終わりの兆しが見えてきた所に
ガチャッと扉の開く音が・・・










「こんな遅くまで殊勝なことだ、若人よ!」


『今、そのテンションはウザいです、先輩…』


「お〜ぉ〜、、これは失敬。」


『(無視して作業を進める。)』


「ごめぇん、、無視しないでぇ…」








めんどくさいから無視して残りをやってたら
情けない声をあげながらも
温かいコーヒーを持ってきてくれた先輩。



お礼を言いつつ、やっていると
あ〜、与田ちゃんは変わんないねぇ〜…とか
わっ、賀喜ちゃんすっご!とか
直した資料を見てる。



・・・・・そういえばなんで先輩が?








『・・・なんで先輩がオフィスに?
 今日は役職者会議で早番だったはずじゃ〜』


「そうなんだけどさ〜
 設楽さんがね?
 あいつ、今日は缶詰だな〜。
 バレンタインなのにかわいそ〜って
 言ってたからちょっと見に来た。」


『設楽常務、bRですからねぇ。
 次の専務候補ですし。』


「えっ!?」


『日村専務が副社長のポストで
 うちらの岡田部長が本部長吹っ飛ばして
 常務候補ですからね。
 白石部長が本部長、生駒課長が部長に。
 虎視眈々と上のポスト狙ってますよ。』


「どこから仕入れてくるのよ!」


『今野副社長の秘書さんから。』


「な、奈々未さん!?」


『あ〜、やっと終わりました〜!!』










要らぬことを話しながらも
やっとのことで終わった。










「奈々未さんとの関係が
 すっごい気になるけど〜…
 とりあえずお疲れ。」


『ありがとうございます。』


「ほれっ、御褒美のチョコだぞ〜。」


『あ、ありがとうございます。』


「ふふふん、手作りぞ〜。」


『ん、んまっ!』


「でっしょ〜?」


『・・・・もしかして、ホントはこれを?』


「う、うっさい!!」


『へぇ〜、意外とかわいいトコあるんですね』


「なっ!?、、ほっ、ほら、帰るよ!」


『運転したら事故っちゃいそうだなぁ…』


「わ、私が運転するの!?」


『だめですか?』


「うぅ〜、、しょうがないなぁ…」













自社用車の助手席に乗り、
先輩の運転で帰宅することに。










『あ、先輩の家で。』


「・・・・へ?」


『バレンタインは過ぎましたけど
 好きな人と一緒にいたくありません?』


「な、何言って…」


『おいしかったですよ、本命チョコ。』


「なっ、え、はぁっ!?」


『好きだよ、眞衣。』


「・・・・・今はずるいぞ、ばか。」


『ふふっ、あ、、一緒にお風呂入りましょ。』


「えぇっ!!?」


『・・・play a bath』


「ななななにいって!!」


『なに想像してるんですか、へ〜んた〜い。』


「うるさぁ〜い!!!」


































その後、あま〜いひとときを楽しみながら
チョコ以上の御褒美をいただきました。





.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ