短編

□幸せの定義
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収録が終わって楽屋に戻ると
仲の良いスタッフに頼んでおいた
麻衣用の誕生日ケーキと
綺麗に梱包された箱がちゃんとあって
ホッとしましたよ。



それを見た新キャプテン様は
いつもどおりプンプンしてましたけど。。



誕生日ケーキは普通のホールショートケーキ。
ちょっとお高いやつですが。



当の本人はと言うと・・・







「咲乃〜!!」


『なに?』


「今年もありがと♪ 写真撮ろ。」


『はいはい。』







嬉しそうに抱きついてきて
一緒に写真撮って
幸せそうに誕生日ケーキを頬張って
ニッコニコ。



飛鳥に促されてウキウキと
箱の梱包紙を丁寧に剥がして
箱を開けると、えっ…と
小さく呟いたあと、
これ…と涙を溜めながら
うちに見せてきたのは
うちが作った指輪。



シルバーリングで
裏にTi amo per come sei
(そのままのあなたを愛している)と
刻印を入れた。



いかにも泣きそうな麻衣の手に
指輪をはめて
裏の刻印の意味を耳元で囁くと
照れながら零れ落ちる涙。



そのままキスをして抱きしめると
恥ずかしくなったのか
遠慮がちに回された腕に
肩口に顔を埋めながら
ボソッとだいすき…。って。



離れる素振りがないので
そのままソファーに座り、
抱きしめ合っていると
生田や松村がよかったね〜って
麻衣の頭を撫でると
コクコク頷きながら反応した。



頷く度に麻衣、いい匂いするから
うち、今、理性さんと
ものすんごい闘ってるのね。
幸せなんだけどさ。



その後も楽屋にいるメンバーから
祝福を受けつつ、茶化されつつ
時間は過ぎていった。

















『いつまでこの状態なの?』


「・・・・ずっと。」


『そっか。』


「・・・・せこい、こんなの。」


『今年も麻衣の泣き顔見れて良かった。』


「・・・なにそれ。」


『よっぽど嬉しかったんだなって。』


「大好きな人からこんなのもらったら…」


『あ〜あ〜…』


「嬉しいに決まってるじゃん…///」


『それ以上はご勘弁を。』


「・・・へ?」


『抑えきれなくなるから・・・』


「ちょっ…///」


『これだけは許して…』


「んんつ、///…ん、、っ・・・///」


『続きは・・・ね?』


「・・・・うん///」










君が幸せならそれでいい。

その幸せな顔を見れるだけで幸せだから。





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