リクエスト小説

□Vodka Gibson
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パシュッ・・・・ストッ。と
静寂の中、空気を裂きながら
一直線に放たれた最後の矢は
見事、真ん中を射貫いた。



1本1本を丁寧な所作で撃ち、
50本程、撃ち終えた所で
すべての矢の位置を確認し、
今日の精度を把握してから
流れる汗を拭いつつ、裏門に向かった。



裏門にまわると、
マネージャーが車を停め、
瑠璃が来るのを待っていた。



弓道部の袴のまま乗り込み、
収録のスタジオへ。



スタジオに到着すると
運転してくれていたマネージャーに
お礼を述べて後、
欠伸をしながら楽屋へと歩いて行った。



ガチャッとドアノブを回して入ると、
おはよ〜、こんちゃ〜、おつかれ〜。と
様々に声が至る所から飛んできた。



それに答えながら進んでいると
桜井・白石・衛藤・中田が
袴姿の瑠璃を撮らんと
ワラワラとスマホを構え始めた。



パシャパシャと音が鳴り始めると
・・・・また?と言わんばかりの
苦い顔をしながらソファに座り、
腕置き部分を枕に夢の中へ。



その様子も抜け目なく撮影している
騒ぎ立て隊(仮)はニヨニヨしながら
今し方、撮影した写真の数々を眺めていた。



・・・・・飛鳥ちゃんは
その一連の様子にドン引きしていた。













艶めかしい黒のポニテ
透き通った白い柔肌
大きな黒目に薄い唇
程良く肉の付いた長い手脚は
まさにモデルと言わしめる容姿。



白石麻衣をも凌ぐかもしれない人物こそ
夢の中へ意識をやった
3期生・鏑木 瑠璃なのである。







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