短編

□破天
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人気が高まるにつれ、外仕事が多くなり
ダンスレッスンに参加できる機会は
反比例して減っていく。



その中で、ここ最近
特に忙しい日々を送っていると
うちが感じるメンバーがいる。





山下美月





同期の若が卒業した後、
「若様軍団」の1員として活動していた
その功勲として、若の椅子を継承。



まぁ、早い話、
とてつもないハードスケジュールで
休む暇がない、ということ。



それに加え、彼女は弱音を吐かず
いつも小悪魔な感じでおちゃらけているが
確実に無理をしている節がある。



倒れる前にどうにかしないとね、










久々に時間ができたから
ダンスの確認をしようと
メンバー御用達のレッスン場へ。



更衣室でレッスン着に着替え、
スタジオまで足を進めていると
目に映ったのは
踊り終えてから、首を傾げて
大の字になった美月の姿が。



静かに更衣室まで戻り、
タオルと冷えたスポドリを持って
気付かれないように美月のもとへ。







「・・・はぁっ、はぁっ、、」


『おつかれさん。』


「・・・えぇっっ!?」


『ほいっ、汗拭いて、それ飲んどけ〜。』


「あっ、ありがとうございます…」


『ん、素直な奴は好きだぞ〜。』







うちのあげたタオルで汗を拭って
ゴクゴク、スポドリを飲んでる美月。


そんな美月の隣に座り、
目の前には大きなガラスに映る
正面を向いたうちらが。







『ハードスケジュールに
 ハードワークはいただけないねぇ〜。』


「・・・・・でも、、」


『そうしないと
 若のポストにふさわしくない。ってか?』


「・・・ッ!?」


『ば〜か、見てりゃ分かるよ。
 だけど、それで身体ぶっ壊して
 メンタル崩壊しちゃう方が
 もったいないと思うけどね。』


「じゃあ、どうすればいいんですかッ!!」


『馬鹿か、周りを頼れ。
 テメェ一人で悩んで考えて解決してりゃ
 全員がそうして成功してるわ。
 何のための仲間なんだ、メンバーなんだ?』


「・・・」


『できねぇならできねぇって言え。
 しんどいならしんどいって言え。
 助けてほしいなら助けてって言え。
 そうすりゃ、うちがどうにかしてやる。』


「・・・・・ほんと、、ですか?」


『あぁ。』


「・・・・プレッシャ−が、、すごくて…」


『まぁ〜、写真集も好調で
 今や3期のエース格だからねぇ〜。』


「失敗しちゃったら、、とか
 なんか、、いろいろ考えちゃって…」


『失敗すりゃ〜いいじゃん。
 そんで、学んで次に活かせばさ。
 それに、もう充分、皆、認めてるって。
 若の後釜は美月しかいねえって。』


「うぅぅっ…、、っ、」


『・・・・すっきりしたか〜?』


「ぐすっ、、んっ、はいっ!」


『良い顔になったじゃん。』


「わぁぁっ、、か、かみがぁ…」












ホント、最近のメンバーは頼んないからね。


・・・ってか、乃木坂メンバー、
基本的にしんどくなると
誰も自分でどうにかするよね…


































































ふふ〜ん♪


最近、ゴキゲンじゃ〜ん


ふふふっ♪


もしかして・・・


え〜!、、だれだれ??


・・・・・咲乃さん。


・・・・・・・え?


・・・・・ん?


たしか、、、咲乃さんって


………うん。


・・・どしたの?


ジュンナサントツキアッテルヨ。


うそでしょぉぉぉっっ!?



























































・・・・くしゅんっ!


風邪?、、やめてよ〜?


大丈夫だって〜。


じゅんに移さないでよ!


大丈夫って言ってるだろっ


んっ、、ふっ、、、いきなりは、、ばかっ。



.

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